不都合な現実、朝鮮半島情勢と政権交替勢力の衰退
2017-04-04 Tue 09:23
 森本学園をめぐるスキャンダルもそこそこに自民党の支持率は高止まりを続けています。

 支持率を追う・日経世論調査アーカイブは、「安倍内閣は「森友学園」問題を巡る証人喚問後も62%と高水準を維持した。」と伝えています。

 誰が自民党を支えているでしょうね。

「誰が」と問うよりも、「何が」と置き換えたほうがすっきりします。

 二つ考えてみます。
 
 一つは、政権交替を任せるに足る信頼できる野党がないことです。

 もう一つは、朝鮮半島情勢です。
 これは南の慰安婦問題と、北朝鮮の核攻撃能力の現実化に分解できそうです。
 いずれものど元に引っかかったトゲのように苛立がつのるのを感じます。

 こうしたなか安倍政権は、敵のミサイル基地を攻撃する「敵基地攻撃能力」保有の検討をいち早く提言しています。

 敵基地攻撃能力の保有検討を 自民が首相に提言

 偶発であれ意図的であれ、北の核ミサイルがニュー広島・長崎を引き起こしかねないと感じるのは素直な感情でしょう。

 実に時期を得た巧妙な進め方で、籠池氏のようなオールド保守とは違って、この政権の現実対応能力の高さを示しています。

 いいえ、筆者はそうした国民感情を逆手に取って、共謀罪の成立等に突き進む安倍政権に恐れを感じているのです。

 ですから、高止まりする支持率がこの国を危うくする推進力になっていることを危惧いたします。

 政権に危険な匂いを感じながら、朝鮮情勢の悪化でうまれた「国民」感情が、この国をニュー軍国主義へ導くのを見たくはないのです。

 手も足も出ないまま、筆者のハートはねじれ、アンビバレンスな感情に引き裂かれ、この弱小ブログで警鐘を続けるのが精一杯なのです。
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異次元緩和から満四年、今もってなぜデフレが悪か分からない
2017-04-03 Mon 09:47
 2013年4月4日、黒田東彦日本銀行総裁が打ち出した「量的・質的金融緩和」、いわゆるイジゲン緩和は物価上昇も、賃金上昇も引き起こしていない。

 株は上昇し資産家はうるおったが、普通の勤労者に成果はなかった。
 むしろ実質賃金は下がった。
 図表の赤点の分だけ実質賃金は目減りし、生活は苦しくなった。

賃金指数表
[注]〈出所等〉は下段参照
*クリックで拡大します

 そもそも論になるのだろうが、インフレになれば生活は苦しくなる。デフレであれば物価が安くなるのだから家計は助かる。
 手取りはいっしょでも実質賃金は増額するからだ。

 定昇の止まったままの給与も同じなんだろうが、リタイヤした老人のほとんどが収入一定だし、将来それが増加する見込など考えも及ばない。
 モノの値段が上がれば直ちにひびいてくる。
 生活実感からモノを申すしかないのであるが、浅学な筆者には日銀エコノミストのいってることが四年たっても理解できないのである。

 税はもっと過酷だ。
 いやおうなく分捕られる。
 2019年10月に予定されている消費税率10%への引き上げのことだけではない。

 税と一括りにしているが、社会保険料[健康保険料・介護保険料・年金保険料・雇用保険料・労災保険]の引き上げによって、税と変わらない打撃を被る。
 インフレも困るが、なけなしのポケットに手をつこまれて持ち去られる。
 眼に見えるものだから、眼には見えない「2%の適正なインフレ」よりは分かり易いが。

 100%を表す赤い線から見えてくるのは、これを下回れば下回るほど生活は苦しくなるということだ。

 4年たった異次元緩和、それを総合したはずのアベノミクスが何をもたらしたのか、何をもたらすのか、全く理解できない。

 誰か説得力のある理屈を教えてほしい。

〈出所等〉
1.出所は厚生労働省「毎月勤労統計調査 平成28年分結果確報 時系列第6表 実質賃金指数」です。
2.実質賃金は、名目賃金指数を消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)で除して算出している。
3.事業所規模5人以上、平成22年平均=100として指数化した。
4.図表は上記に基づいて筆者が作成しました。
5.〈実質賃金指数の定義〉
モノの値段に対して、賃金が本当に上がっているかどうかを示す指標。基本給に残業代やボーナスなどを含めた給与総額の指数を、物価で割って計算する。1年前と比べて物価上昇を超えるペースで賃金が上がっていれば、プラスになる。[朝日新聞掲載「キーワード」の解説]”
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東芝破綻が暗示する日本破綻のシナリオ
2017-04-01 Sat 10:41
 原発事業で失敗した東芝は、さすがに二度目の粉飾決算には手を出せず、破綻のループにはいった。
 いつ倒産になるか。
 19万人社員の雇用確保をお題目に神風が吹き、税金投入のうわさも聞こえてくる。
 
 東芝もアウトだが日本国はもっと危うい。

 ひところ声高だった「アベノミクス」も声をひそめた。
 誰もそのフレーズを口にしなくなっている。
 金融緩和をベースにしたカクテル(ミックス=mix=まぜる)の酔いがさめてきたようだ。

 自民党の安倍社長は「雇用が増えた、有効求人倍率は過去最高だ」と大見得を切ったが、
今日の日経は「雇用逼迫が成長の壁 失業率22年ぶり低水準」と見出しだけみると勘違いしそうになるが、さすがに真相はおおい隠せない。
 本文に次の記述がある。

“15〜64歳の生産年齢人口は1997年の8699万人をピークに減り続け、2月は7620万人だった。
20年間で約1000万人、年平均でおよそ50万人という先進国では例をみないペースで減っており、働き手の補充が追いつかない。”

「金融市場、日銀の独壇場 価格形成にゆがみも 」の記事はさらに深刻だ。

“日銀は昨年7月、日経平均株価や東証株価指数などに連動するETFの年間購入額を6兆円に倍増することを決定した。
野村証券の試算では日銀のETF買いの日経平均の押し上げ幅は1回あたり約30円。買い入れ増額後の累計では、約1700円押し上げた計算だ。
16年度の日経平均の上昇幅は2150円。
その大半が日銀の買いで押し上げられたことになる。”

“3月20日時点の日銀の国債保有額は423兆円と、15年度末から2割増えた。
中長期国債は財務省が年間123兆円を発行し、日銀が市場で111兆円を購入した。
国債発行残高に占める日銀の保有比率は1年前は約3割にとどまっていたが、直近は4割を超えた。”

 このカクテルのベースはジンか、ウォッカか。
 強い酒であることはまちがいない。 
 これがさめた朝、風景はどう変わっているのだろう。

 ゼロ金利からさらにマイナス金利(マイナス金利付き量的・質的金融緩和)へと、ひたすら金利を押し下げてきた。
 金利が下がれば資産価格は上がる。
 資産家はうるおう。

 論理学が演繹するように逆も真である。
 金利が下がって上がった資産価格は、金利が上がれば下がる。
 上がればETFも国債も焦げ付く。

 で、どうなるか。
 ぼくなどは難しい理論が分からないから、顔を見比べてこの国の危機の程度を推理している。

 東電社長、東芝社長、日本国社長の顔と顔と顔。

 危機三人衆の顔をウォッチングする。
 
 とくに日本国社長は癇性だから、怒鳴り散らした瞬時の顔がポイントでナゾが解けるときがある。
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忖度(そんたく)を図解する
2017-03-27 Mon 15:42
法治主義

“(「忖」も「度」もはかる意)他人の心中やその考えなどを推しはかること。推量。推測。推察。
『精選版 日本国語大辞典』”

 建築設計が仕事ですからなんでも図解するクセがあります。

 平面図、断面図を描くのですが、枠(空間)を決めないといけません。 
 籠池問題あるいは籠池疑獄といって良いのでしょうが、その土俵というか空間は、法治主義ということになります。
 
 法治主義とは以下の意義です。

“行政は議会において成立した法律によって行われなければならないとする原則。行政に対する法律の支配を要求することにより、恣意的、差別的行政を排し、国民の権利と自由を保障することを目指したもので、立憲主義の基本原則の一つにあげられている。
『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』”

“統治権の行使は法律に基づいて行われなければならないという近代国家の基本原理。〈法の支配〉とほぼ同義。三権分立がその制度的な基礎をなす。法治主義による国家は法治国家と呼ばれる。
『百科事典マイペディア』”

“法に従って権力を行使するという政治原理。絶対主義における王の全能的支配を否定して成立した。法の支配。
『大辞林 第三版』”

 さて、ここでいう「法」とは、具体的には、憲法、法律、政令、省令、法律に基づく告示の一切です。
 これを図解してみると、実線の枠とそれをはみ出した点線の枠で表示する事ができます。
 その中間にはグレーゾーンがあります。

 お役所(行政)は法令の枠内、空間をはみ出て行政権力を行使する事はできません。
 作図の実線の枠内で「忖度」する事が行政マンのお仕事です。
 有能な、あるいは権力に忠実な行政マンはグレーゾーンというリスキーな仕事に手を染めるかもしれませんが、違法性が問われればそれだけで公務員としては致命傷です。

 忖度という言葉そのものは善悪を問うものではありません。
 中立です。
 この枠内におさまっている限り、忖度があろうとなかろうと法治主義は維持されます。

 この場合、「他人の心中やその考えなどを推しはかる」こと事態は問題ではありません。

 行政技術の問題で、この枠内であれば善悪は問われません。
 その範囲内なら忖度しても何も問題はないのです。

 しかし、法治主義をおびやかしていないかどうか、正邪は枠内外で判定する事ができます。
 枠を飛び出せば、つまり実線の外へ出てしまうケースを、問題としている訳です。
 グレーゾーンはリスキーで、しかも法治主義を空洞化しかねない行為です。

 つづめていえば法治主義の空間をはみ出すことが問題である訳です。

 忖度の定義で「他人」とありますが、権力者あるいはその周辺の権力に影響力を持つ者の意です。
 この意にそって、則を越えてしまう。
 これが問題です。
 
 平面図の実線と、点線の間にはあいまいなグレーゾーンとあきらかな「断絶」があります。
 そこにはムリにムリを重ねたシャンプのエビデンスが残されているはずです。
 安倍政権はその間の資料はすべて廃棄したそうですから、結果証拠隠滅を辞さない乱暴なやり方を断行しています。

 影響力のある人が何らかの働きかけすることで、役人(行政マン)が枠を飛び越えてしまう、ジャンプしてしまう。
 当然、実線と点線の間には破断があります。
 とりわけ権力の周辺にいて、善意の人が影響力を持つととんでもないことが起こる、そういう問題です。

 ですから「安倍」昭恵さん善人説が流布されていますが、問題の焦点がズレています。
 善か悪かではなくて、正しく行政が執行されたかどうか、の問題です。
 法治主義の遵守がなされていたかどうかの問題です。

 wikipediaは、「安倍」昭恵さんに秘書を付けた経緯を次のように伝えています。

“内閣総理大臣夫人秘書(ないかくそうりだいじんふじんひしょ)は、内閣総理大臣夫人の秘書である国家公務員をいう。
2006年、第1次安倍内閣のとき1人置かれることとなり、外務省退官まもない宮家邦彦が就任。非常勤の一般職国家公務員で、官職名は「首相公邸連絡調整官」であった[2]。宮家は、2007年8月の第1次安倍内閣 (改造)退陣に伴い退任。この職は次期福田康夫内閣に引き継がれなかった。
2012年12月、第2次安倍内閣が発足。2013年5月頃から安倍晋三内閣総理大臣周辺で「内閣総理大臣夫人安倍昭恵(愛称アッキー)の教育係兼監視役が必要」という声が上がる中、翌6月、2-3人態勢で非公式に「アッキー対策室」が設置されたといわれる。
2017年3月時点で、経済産業省・外務省から派遣された常勤2人・非常勤3人の計5人態勢となっている。総理大臣官邸内に専用執務室を有し、国会議員公設秘書とほぼ同様の役割を担うとされる。名刺に表記されている官職名は「内閣総理大臣夫人付」(英語: special assistant to the spouse the prime minister)。
公務員給与のほかに、内閣総理大臣の出張に同行する際は国家公務員等の旅費に関する法律に基づく交通費が支払われている。
2017年2月27日、民進党衆議院議員辻元清美から「安倍昭恵内閣総理大臣夫人の活動に関する質問主意書」が提出され、内閣総理大臣夫人の活動を補佐する公務員などについて問われた。”

 安倍晋三内閣が昭恵夫人に「経済産業省・外務省から派遣された常勤2人・非常勤3人の計5人態勢で総理大臣官邸内に専用執務室」を与え、秘書をとおして、夫人の「善意の活動」を支援しておられることが問題の震源であります。

  第47回衆議院議員総選挙を291議席で圧勝した安倍晋三に権力の驕りはなかったでしょうか。
 かって夫人に専用執務室を与えた内閣総理大臣がいたでしょうか。
 五人の秘書を抱えた総理夫人があったでしょうか。

 なぜメディアはそれを批判しなかったのでしょうか。

 問題ははっきりしています。
 
 権力は腐敗します。
 法治主義をむしばむ悪性の忖度が発生する土壌がつくられていたのだと思います。
 あからさまな違法行為ではないだけに、始末の悪い問題だと指摘されます。

 夫人は善意の人だというのはどうでも良い事です。
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政治においては善人こそ悪人だー「安倍」昭恵論ー
2017-03-25 Sat 07:33
 籠池氏はうさん臭い男だ。

 が、証人喚問の彼を見て感じた事はマスメディアで槍玉に挙がった「大ウソつきの詐欺師」像とはずいぶん違って見えた。

 ディテールがしっかりしていて話がおもしろい。
 虚言癖も見えるが、話がおもしろいから、チャーミングにみえる。

 証人喚問されていながら、堂々としているのだから腹も座っている。

 ぼくなどには詐欺師と一言で括れない、憎めない男に映った。

 妄想家なんだろう、なんともあからさまで品は良くないが、小学校設立のハシゴを外され、腹の底から噴出する情念が沸々とわいて見えた。

 証人喚問後、外国特派員協会の記者会見の彼にはユーモアがのこされてあって、借財17、8億円を背負い、刑事罰が待ち受けているにもかかわらず、時の安倍政権と真っ正面からぶつかって動じないのである。

 昭恵さんはいかにも善人だ。開けっぴろげで育ちの良さが伝わる。
 
 だから問題なのだ。

 自分の行動が良いことか、悪いことかが問題なのは昭恵さんの個人的世界での規範だ。

 彼女は「安倍」昭恵だ。

 国有地の払い下げ、小学校設立許可という政治的意志、行政的判断は正しく行われなければならない。

 良い事か、悪いことかではない。

 安倍昭恵は善人であるから、正しい事を損なった可能性が高い。

 ぼくにはそう見える。

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