マイナス金利という妖怪が歩きはじめた
2016-02-06 Sat 16:00
「マイナス金利ってなんねん。どいうこっちゃ」
酒と女の事しか目がないM君が、めずらしく口をはさんだものだから、みないっせいに飛びついた。
彼は関西からビル現場に来ていて、一月もしないのに常連の顔をしている。
「妖怪みたいのモンヤ」
うわずったようなにわか関西弁でSさんがそれにこたえた。
「一つの妖怪がヨーロッパを歩き回っている。あの有名な、共産党宣言の一節や。」

だれもSさんの前振りにうなずくものはいなかったが、いつもの事と受け流し、興味と酔いでパンパンになった頭のなかにそれぞれ妖怪を思い浮かべる。

「郵便貯金な、五百万預けてな、上期の利息が392円だョ。」
もってるなというのは口に出さず、てんでんに質問を投げかける。
「信用金庫じゃあきまへんか」
「同じコッチャ」
「カミキって何ですか」
「四月から九月までの利息。」
「それが妖怪とどんな関係性をお持ちになるんですか。」

「一回か二回の手数料で消えてしまうやナイカ。見えたと思ったら消えてしまう、妖怪や」
なるほど銀行利息は妖怪のようだとみんなが納得顔。
得意になって、Sさん。
「今にはじまった事じゃない。黒田が異次元緩和だとかミックスだとか大仰にいってるけれどな、1995年からずーと利息は幽霊化しとる。」
定年で楽しみがないから、毎日通帳眺めるてるとは誰もいわない。
「妖怪じゃ?」
「まあ幽霊でも妖怪でもよろしい。限りなくゼロに近づいている。微分法いえば・・・」
「ビブンは除けといて下さい。ほんまに利息なんてないようなもんですわ。」
「いずれだ」
「いずれ?」
「いずれといってもそう長い先ではないね。日銀に預けている銀行の当座、預金のようなものだが、これからは銀行が預けた分は金利をとられる。マイナスになる。」

「預金すると利息を取られる。」
「明快、明快。今は銀行と日銀のやり取りだが、いずれ下々にも及んでくるという寸法だ。」
「預金をすると利息を取られる。」
「すぐ消えてしまう利息妖怪が、化けて出る。」
「お化けですか。」
「妖怪はお化けだ。マイナスに化ける。妖怪だろ?」
得意気のSさんに心配顔のKちゃんがおそるおそるおうかがいを立てる。
「そりゃ困った。どうすりゃいいんですか。」
「金庫を買う事だ。」
「金庫?」
「俗にいうタンス預金にするしか手はない。利息取られるよりましだろう。」

金庫代と取られる利息とを比較するまで頭は回らない。
借りたら利息を付けると言われても、儲け口がとんと思いつかない酔いどれたちはやがて沈黙した。
「日本はどん詰まりに来てるんですね。」
女将がその場を納め、新しいジョッキを運ぶ。
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日本の銀行はゾンビ、ましてゆうちょ銀行
2015-11-02 Mon 17:40
「ゆうちょ株はどうか」
そう友人たちから聞かれる。
「買わない」

それ以上答えない。

答えようがない。
買いたくてうずうずしているから聞いて来るのだ。
発情している相手に何を言ってもムダだ。

国策にのって儲けた成功体験があるから夢よもう一度、一儲けしたいのだろうが、買う理由を百挙げられると同様に、買わない理由も百述べることができる。

しかし問題はもっと深刻だ。

日銀は金利が上がらないように、金利抑圧政策(国債買占め)を取っている。
現在、新発10年国債利回りは年利回り0.3%前後に低下した。
長期金利が上昇すれば、利払いは一気に増大する。

金利を押さえこんで財政破綻を先延ばしにして生きながらえているのだ。

ゼロ金利が「正常化」したら、この国は即座にアウトだ。
このまま金利抑圧政策をつづけるしかない。
これまでのように預金者から金利を奪うだけでは保たないだろう。

内部留保で満腹になった大企業は銀行を相手にしない。
優良な貸し出し先がないなかで、抑圧された金利では銀行はますます儲(利ざや)をかせげない。
貸出ノウハウのないゆうちょ銀行は預金を日銀にブタ積みして、0.1%の附利を稼ぐのが精々だ。

この国はゼロ金利の元では金利分すら稼げなくなった。
金融機関はゾンビだ。
死んでいるのに動いている。

ましてゆうちょ銀行に未来があるとはとうてい思えない。
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柿ピーもかっぱえびせんも金融緩和もやめられない
2015-09-21 Mon 10:27
日経平均のチャート(日足)は、心室細動を起こしたハートのようにギザギサで汚い。
悪い兆候だ。

ジャパンマーケットはシルバーウイークで一休みしている。
イエレンはその間に、マーケット砂漠の水分が枯渇しないよう、これからもマネーをジャブジャブにしておくことを決めた。

金曜明けのジャパンマーケットは見ものだ。
ボラは上がり、やがてきつい下げが来る。

日本株をもってないなら格好だ、高みの見物を満喫できる。

世界中が金融緩和を競っているのだから、黒田の異次元緩和はとっくに異次元ではなくなった。
世界中が「アベノミクス」をやっているのだから、効き目はニュートラルだ。

イエレンは告白したんだと思う、他に手がないの。
柿ピーもかっぱえびせんも金融緩和もやめられない。
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休むも相場、トレーディング恋愛説
2015-09-04 Fri 08:56
赤道直下の国がどんだけ暑いか知らない。
今年は負けていなかったと思えるほど酷かった。
老人たちは何をしていたのだろう。

ガボン、コンゴ、ウガンダ、ケニア、ソマリア、インドネシア、エクアドル、コロンビア、そして日本の老人たちのことだ。

暑さにやられて早死にしてしまうのかもしれないが、なにより退屈で死んでしまう。

赤道直下の国々で未整備なのはパソコンとネット環境ばかりではなさそうだが、ネット証券はないだろうし、FXも、為替取引もないと思う。
日本の老人にしても、使えなければ赤道直下とかわりはしない。
それらは存在しないに等しい。

暑さにやられ、無為に倦んじて、暑夏が通り過ぎるのを待つばかり、蝉時雨。

ぼくらに残されているのは退屈との戦い。
だけど老年の選択肢は限られていているというのは思い込みだ。
苛烈な戦いの場においても、ツールと熟達したトレーディング技術が身につけば、参戦して若者と互角に戦うことのできる分野の一つだ。

長く取引をつづけていくことが大事。
ツールを使いこなし、老人の武器「トレーディングにおいては熟達した判断に代わるものは存在しないのです。」(アレキサンダー・エルダー『投資苑』P.211)は日々鍛錬される。

おそれるのは元手を無くすこと。

なぜって、元手をなくしたらトレーディングという機会、楽しみを失ってしまうから。

急伸し急落する、今の相場の変化にとらわれ、追従してはいけない。
変化は見せかけ。
本筋の流れでないし、いわゆるトレンドは出ていない。

観察をつづげけるなかでいずれ本筋が現れてくるだろう。

その方向へ自分を合わせる。
いってみれば下がるか、上がるかの二者択一の本筋が見えてこないうちは動けない。
今動いても、方向性の定らない波に翻弄され、ムダと時には致命傷を負いかねない。

長く取引をつづけていくことが大事だ。
これをリフレインしよう。
休むも相場。

トレーディングの目的はただ一つ、お金儲け。
それにプロセス自体が面白い。
プロセスを楽しめなれば長くは相場と付き合ってはいけない。

恋愛のようなもの?

もう忘れてしまったが、たぶんそう。
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アベノミクス信者のうめき声「僕の株はなんで下がるの?」
2015-09-01 Tue 16:39
来るべき事態が到来したと考える人もいるだろう。
まだまだと踏ん張る者も少なくはない。
しかしそれでもいよいよとなれば投げてしまうだろう。

アベノミクスが崩壊するのを目撃するわけだ。

ロイターは次のように伝えている。

コラム:外貨準備取り崩しが招く中国発「量的引き締め」

“ドイツ銀行のストラテジスト、ジョージ・サラベロス氏は顧客向けノートで「人民銀行は外貨準備を売却し、世界の固定利付資産の保有を減らすことによって人民元を防衛している。この行動は量的緩和(QE)の巻き戻し、言い換えれば量的引き締めに相当する」と指摘した。
人民銀行が買って抱え込んでいた資産の規模は、米連邦準備理事会(FRB)のQEをすべて合わせた額より大きいことを銘記したい。

中国人民銀行は2003年からの10年間で積み上げた外貨建て資産約4兆ドルのうち、七月以降5000億ドル以上を吐き出したといわれる。
もちろんその実数をつかんだ者などいないのであるが、実像はロイターの指摘していることと大差ないだろう。
その結果米国債が売られ、ドルがグローバルマーケットから吸い上げられる。

グローバルな「量的引き締め」に転じた。

浮かれた連中は何がおこたのか、見ようともしない、見向きもしない。
彼らのいう株やETFやREITなど資産なるものは、米・欧・日がそろって吹かした金融緩和の風に舞い上がった紙切れ。
風が止めば紙切れは浮力を失い、落ちてくる。

FRBが過剰マネーのじゃ口を止め、今まさに金利引上げに踏み出そうという直前の事態だった。
金融緩和する余地がなくなったときに起き得る市況崩落のリスクを警戒してきたが、グローバルな金融引き締めがはじまるとは考えていなかった。
今起きていることは、そういうことだと思う。
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