セウォル号沈没事故と圧縮成長
2014-04-23 Wed 14:51
中央日報の社説「韓国は安全社会なのか、三流国家なのか」に、次のくだりをみた。

“昨日、汎政府事故対策本部がセウォル号の事故当時の交信録音収録を公開した。セウォル号が珍島交通管制センター(VTS)から乗客らの救助の指示を受けても、退船命令など具体的措置をしなかったという事実があらわれた。イ・ジュンソク船長ら乗務員がどれほど無責任だったのかを見せるものだ。これまで私たちは、圧縮成長には成功したが生命の価値や安全の価値については無関心だったし無神経だった。生命と安全は、圧縮することができないからだ。安全の責任を負うべき人が責任を負わず、安全管理の責任を負うべき公僕も自らの役割を果たすことができなかった。それがセウォル号、いや“大韓民国”号の苦痛の自画像だ。”

「圧縮成長」という見なれない用語。

それを断片とみすごすか、断面ととらえるかで、世界はちがって見える。

・適性な積載量987tの3.6倍に当たる3600t余り過積載。
・一年契約社員であったイ・ジュンソク船長(六十九歳)。
・非正規労働者数は全雇用労働者数の33.3%。
・55歳以上の高齢者は、低所得の非正規雇用の職に就くことが多い。
etc.

事故から時系列をさかのぼる。
原因の原因。
社説は、その最終断面図を「圧縮成長」として描いた。

先進国が経験してきた成長過程を最短期間で実現する圧縮型成長。
圧縮すなわちスピード。
一人当たりGDP(1990年ドル表示)が、1,000ドルから始まって10,000ドルに達した期間。

・イギリス、1780年頃〜1965年の185年
・日本、1890年〜1970年の80年。
・韓国、1953年〜1992年の39年。
[注]金 昌男『韓国の経済成長と北東アジア地域における域内分業関係の進展』
小倉紀蔵編『現代韓国を学ぶ』第7章「韓国の経済─圧縮成長でアジア第2の先進経済を達成(林廣茂)」参照。


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(2012/03/26)
小倉 紀蔵

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