×1の現実「資本主義が死ぬとき」
2014-03-20 Thu 14:32
資本主義の終焉を予測する学者がいる。
マルクスではない。
日本の知性を代表する一人水野和夫氏である。

彼の最新書『資本主義の終焉と歴史の危機』は、日本の十年国債が1,997年に2%を下回り、直近で0.6%前後まで低下した事態を「利子率革命」と名付けている。
ざっくり言えば、「利子率革命」は資本が設備投資をしても充分な利益を生まず、経済危機が長期化した資本主義がたどり着いた最終局面である。
金利ゼロの世界とは、利潤率が限りなくゼロに近づく資本主義の終焉を意味する。

氏によれば、1,973年にピークを付けていた日本は、先進国の中でもっとも早く資本主義の限界に達したとする。

同書の中で、交易条件の悪化による先進国における利潤率の著しい低下などいくつかのデータを示しながら実態を解明する。

利潤率が限りなくゼロに近づく世界とは、×1の世界である。
ゼロ成長、「定常状態」である。
もはや歴史的使命を終えた資本主義が無理矢理成長をとげようとして、バブル清算型資本主義へと変質したことをつげる。

1.日本においては非正規雇用など人件費の流動費化、すなわち労働者のモノ化よって労働分配率を抑え込み、「富む者がより富み、貧しいものがより苦しくなっていく」二極化が進行する。
2.バブルの穴埋めに国家財政をつぎ込み、未来世代が使うべき富を収奪していく。
3.中間層の没落をまねき、民主主義を基盤から崩壊させていく。

×1の世界をバブル清算型資本主義にゆだねるのか、脱成長社会へと脱皮するのか、問われている。


資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)
(2014/03/14)
水野 和夫

商品詳細を見る
関連記事
スポンサーサイト
別窓 | 読書趣味おしゃれに旅健康 | コメント:0 | トラックバック:0 | ∧top | under∨
<<満腹広告 | 三保小次郎日誌 | ×1のナゾ>>
この記事のコメント
∧top | under∨
コメントの投稿

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
∧top | under∨
| 三保小次郎日誌 |