『半沢直樹』『夫婦善哉』にみる省略の妙
2013-09-02 Mon 23:03
なぜテレビドラマ『半沢直樹』がおもしろいか。
つまりは原作=劇画がおもしろい。
省略がきいている。

すべてを描いていたら劇画はエンサイクロペディアの厚みになってしまう。
いきなり物語に引き込こむ。
これが鉄則だ。

日本映画はつまらない。
説明が長く、やがて興ざめする。
たけしやまつもとの学芸会レベルの映画はさらに劣悪饒舌だ。

マスメディア長者の資力で、自分の「思い」をながながと映像に映し出す。
資力がある者が映画人。
逆も真。

かくて極めつけの醜悪がタレ流され、悪貨は良貨を駆逐する。

土曜ドラマ『夫婦善哉』(2013年8月24日 - 全4回、NHK)の脚本は藤本有紀。
柳吉は“クリーム、チック、ポマード、美顔水、ふけとりなどの卸問屋”の跡取りだが、床屋に集金にいき蝶子と出くわす場面で説明なしで描ききってる。
“柳吉はいささか吃《ども》りで”あるが、あっさりはぶいた。

本(台本、脚本)に金をかけない。
これが日本映画、テレビドラマの欠陥である。
公共放送はそこをクリアーし、あとは才能。

省略は才能だ。

見たいものを魅せるためにはぶく。

小説にはこうある。
“ふと関東煮《かんとだき》屋が良いと思いつき、柳吉に言うと、「そ、そ、そらええ考えや、わいが腕前ふるってええ味のもんを食わしたる」ひどく乗気になった。適当な売り店がないかと探すと、近くの飛田《とびた》大門前通りに小さな関東煮の店が売りに出ていた。”

おでんだ。
鍋のなかで具がぐつぐつ煮立ってる。
はぶかずきっちり描く。

大正時代の大阪を思い浮かべようもないが、お互いの名を一字ずつとった屋号「蝶柳」のさりげない情景が観客を一気に引き込む。

半日仕事で10分、15分の寸劇の台本を書いた。
『スティックはオレンジ色—あるニューハーフの恋—』につづいて『フェイスブックの夜』
10月6日に上演する。

前回の役者が出てくれそうだ。
省略?
上演が省略されるかどうかの方が心配。

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