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ジクソーパズルに魅せられて
2013-06-18 Tue 15:34
よく録画を観ます。
残していたタイトルから、一本を選びます。
止まっていた時計がカチッと音を立てたように、別の命が動き出す。

『幸せパズル』〈原題 ROMPECABEZAS/THE PUZZLE〉

誕生日にもらったプレゼントのジグソーパズルに魅せられ、全国大会へ出場する主婦の話しです。



彼女の名はマリア・デル・カルメン。
カメラはしつように彼女をアップし、表情を追い回すのですが、すこしも退屈ではありません。
中年から老年へとさしかかった女性の深みのある表情にしだいに引き込まれていくからです。

マリア・オネットというアルゼンチンの女優さんです。
無機質な表情からジクソーにはまった生き生きとした表情まで、50にたっした女性を生きています。
ドキュメンタリーの一場面のように、主婦の日常生活を見つめていきます。

夫婦にはまだセックスもあります。
二人の息子は自立の準備をはじめています。
まもなく家を出ていく。

導入部は際立っています。

パンの生地をこね、ローストチキンをキッチンハサミとフォークで切り分ける手元。
台所仕事に集中する背中の動き。
閉じられた口元。

パーティーです。
彼女は台所とリビングを往復し、料理を出していきます。
大勢のお客がマリアの作った料理を次々と平らげていきます。

ケーキにデコレーションを施し、50と型取ったローソクをたてたケーキを大勢の客の前には込んでいきます。
「願い事を忘れないでね」
みんながローソクを吹き消す彼女を祝福します。

そう、誕生日の主人公が彼女であると、そのとき気づかされるのです。

家族は、彼女が工夫をこらした料理をごく当たり前の行いとして、彼女の愛情を傷つけます。
夫も二人の息子たちも彼女に無関心です。
無慈悲なほどに無関心です。

むなしさがにじんでいます。
言葉の表現としてはそうですが、家族に生まれている変化をさりげなく描き出しているだけなのかもしれません。
そうした取るに足らないディテールがこの映画の魅力です。

リネン室に置かれた我が家の模型。
屋根の一部がめくれ、壊れかかっています。
それは暗喩になっているのですが、十秒に満たないさりげない場面に差し込まれてあります。

子どもたちが巣立ち、何かが失われます。

マリアはジクソーパズルに魅せられていきます。
それは一時彼女の喪失したものを代替するように見えます。
彼女にパズルの才能をみいだしたロベルトは、世界選手権を目指そうとマリアを誘います。

全国大会の優勝。
その夜ロベルトとの情事。
家族からの祝福。

世界大会の開催されるベルリン行きの切符を道具箱にしまい込むマリア。

切り取られた人生の諸断面がはめ込まれ一枚の絵が浮かんできます。
そう、彼女の喜びの源泉。
家族とその何ごともないかのような日常。

一人ピクニックするマリアがラストシーン。
なんと楽しげに見えることか。

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