アベノミックスの賞味期限、その限界
2013-01-31 Thu 22:08
ぼくが手っ取り早く知りたいのは、アベノミックスによって生じた上げ潮にどこまで乗っていけば良いか、です。

知的な興味もさることながら、リスクをとって不動産事業に投資し、リスク資産(主としてETF)に手を出しているからです。
実践的な課題です。
知的興味に引きずられ、その世界にふけってしまう、酔ってしまうのは一番危険です。

昨日、町田のあおい書店で『週刊エコノミスト 2/5 安倍バブル』と吉川 洋『デフレーション』を見つけ、さっそくオダサガのガストでおさらいしました。
前者は総特集の感がありました。
読み応えがあります。

さて後者ですが、ぼくが真っ先に読んだのは「第七章 結論」です。

日本の学者は結論を後回しにするので読みにくい。
結論に説得力があれば前にもどって読み進めばいい。
それに結論は要約された良い見取り図となります。

目次は以下のとおりです。

第1章 デフレ論争―デフレの何が問題なのか
第2章 デフレ20年の記録
第3章 大不況1873‐96
第4章 貨幣数量説は正しいか―リカードからクルーグマンまで
第5章 価格の決定
第6章 デフレの鍵は賃金―「なぜ日本だけが?」の答え
第7章 結論―迷走する経済学

「筆者の考えは、デフレは長期停滞の原因ではなく、『結果』だ、というものだ。」(P.206)

「なぜ日本だけがデフレなのか、という問いに対する答えは、日本だけ名目賃金が下がっているからだ、ということになる。繰り返しになるが、デフレ『期待』によって名目賃金が下がっているわけではない。フィリップス・カーブ全体を下にシフトさせたのは、『期待』ではなく、大企業における雇用システムの変貌である。」(P.213)

「目の前でデフレが進行しているとき、インフレ期待は生まれにくいだろう、というのがコモン・センスというものだ。」(P.215)

「資産の価格や一次産品の価格は「期待」、すなわち『思惑』で動く。(中略)
対照的に、普通のモノやサービスの価格や賃金の決定においては、『期待』が入り込む余地はほとんどない。『将来xxだろうから』価格を上げるとか、『将来はxxになるはずだから』賃金を下げる、というようなことはあり得ない。」(P.216)

アベノミックスの理論的支柱である内閣官房参与浜田教授や竹中教授がとなえる「合理的期待」モデルはあっさり否決。

ネット検索で「合理的期待」に関して次の論文が目についきました。

マクロ経済動学における期待の役割・福田 慎一

「合理的期待」 仮説について - 日本銀行金融研究所・白川方明

さて、投資ですからシンプルに考えます。
中央銀行が資産を増やす、つまりマネーをバラまくのです。〈原因=作用因〉
資産インフレを引き起こします。〈結果〉

資産を持っているのはお金持ちですから、富裕層優遇政策がまずは打ち出されたわけです。
当面は株をはじめとした資産価格が上がることでしょう。
投資家は、それに追従していくだけのことです。


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出典=日本経済新聞2013/1/28経済教室「TPPの恩恵、日本が最大 」

さて、今の円安・株高に冷めた見方があります。
自民党に政権が戻った。
今の水準は、政権を失った2009年8月時の為替1ドル94円、日経225株価1万400円に戻したにすぎないと。

個人的にはTPP加入がターニングポインドだと考えています。

グローバル経済はとめられません。
TPPはカネのかからない成長戦略です。
これを回避した時点でアベノミックスの終えんだと考えています。


デフレーション―“日本の慢性病デフレーション―“日本の慢性病"の全貌を解明する
(2013/01/19)
吉川 洋

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