スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 | ∧top | under∨
性を捨像したラブストーリー、白河三兎『私を知らないで』
2013-01-13 Sun 08:54
中学生の三人組が主人公だから、なにをまちがって買ったのか、思い起こせない。
中学生の心理を思い出そうにも、わずかに引っかかる記憶の断片はなにも語りかけてこない。
どこで投げだそうか。

二章までたどり着いた時だ。

“僕と仲良くなった彼ら、彼女らに共通する点は、他の子よりも心が背伸びしているところだ。回りの子よりもずっと大人ぶっている。そしてみんなよりもずっとずっと不安定だ。爪先立ちしているから足元が危うい。ちっとした拍子でどっちにも転がってしまいそう。”

僕は中学生の気持ちを思い出すことも取りかえすこともできないだろう。

だけど彼が設定している三人組の心理状態なら僕にも分かる。

自分の力を超えたことが世界にはゴロゴロと転がっている。
無力であることを思い知る。
彼らは中学生だが、六十を超えた自分が未熟であることをくりかえし認識させられている。

同じ、いくつになっても。

過剰に外とのバランスをはかれば、心を失う。
エネルギーを補給しつづけなければ、コマのように倒れる。
彼らが中学生だから、まざまざと不器用なきしみが浮きぼりにされる。

転校生の「僕」は十三、銀行員の養父の転勤で二三年で転校をくり返し「友」から引きはがされてきた。
おなじく転校生の高野三四郎は早熟でそつのない男に見えたが、事件をきっかけに引きこもりに。
多重債務者の両親に捨てられ祖母と暮らすキヨコ。

キヨコは祖母を埋めた畑にヒマワリを咲かせた。
白色で扁平な種が育ち、太陽をにらんで黄色に染まる。
ヒマワリの種は祖母の化身だろうか。

キヨコから「僕」にわたされる種。

中学生、性を捨像したラブストーリーはまぶしい。

“僕を嫌うのはもっともなことだ。「そのうち引っ越す」と今をなおざりにしている僕を、他の土地で人生を再スタートできる余裕がある僕を、キヨコが好くわけはないのだ。”


私を知らないで (集英社文庫)私を知らないで (集英社文庫)
(2012/10/19)
白河 三兎

商品詳細を見る
関連記事
スポンサーサイト
別窓 | 読書趣味おしゃれに旅健康 | コメント:0 | トラックバック:0 | ∧top | under∨
<<さよならキュービー | 三保小次郎日誌 | 二十五歳未満の失業率スペインは56・5%、若者のアンダークラス化>>
この記事のコメント
∧top | under∨
コメントの投稿

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
∧top | under∨
| 三保小次郎日誌 |
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。