「不自由ってものはね、金でなければ解消できないものよ」
2012-08-06 Mon 16:17
町田の竹酔でおろし蕎麦をすする。

日曜の昼間、席を占めていたのは高齢者ばかり数組。
はずんだ話ではなさそうだ。
貸し借りがあったのか、テーブルの上に札が置かれた。

陰気なぼやきがぼそぼそと聞こえてくる。

出かけないわけにゃいかないさね。
表に出ばったさ。
で、札がくずれるだろう、またたくまもなく風に吹かれ消えていくのよ。

困っちゃいないが、こう札が軽いと不安になるね。

体にかぎらず不自由を補うのが「あいじょう」じゃ頼りねえものよ。
不自由ってものはね、金でなければ解消できないものよ。
いざとなれば、頼りになるのはこれ一つきりになる。

言葉だけ聞けば嫌な気分にもなりそうだが、言い草どうように体も強(こわ)ばって、云ってることが真に迫っている。
体がきかなくなれば、不自由というものが身にしみてくるのだろう。
金のありがたみを実感できていないと納得するしかない。

後から来て先きにすすって席を立つ。

「辛みがきいておいしゅうございました。」
「もう、夏休みですか。」
「年中夏休みです。」

納得したように女将がほほえんだ。

忙しくてわずらわしいとぼやいていたが、仕事ができるだけでもありがたい。
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