それは穴のあいた圧力釜ー安全神話の始まりは専門用語ー
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神話は言葉から始まります。
原子力安全神話も言葉から始まっています。
日本原子力学会の資料によると、圧力容器の壁厚さは約16cmです。
圧力容器と訳されていますが、pressure vesselつまり圧力釜です。
設計条件は違いますが、構造は台所で弁(ベント)からシュシュと水蒸気を上げている、圧力釜といっしょです。
小出裕章さんが「原子力の専門家が原発に反対するわけ」のなかで、原子力発電を次のように定義しています。
“多くの人は、原子力というと科学の最先端で、とても難しいことをしていると思うでしょう。しかし、原子力発電でやっていることは単にお湯を沸かすことだけです。その点を取れば火力発電と同じで、沸かした湯気でタービンという羽根車を回し、それにつながった発電機で電気を起こしているにすぎません。”
原子力発電は湯沸かし器というわけです。
そうすれば、圧力容器はウラン燃焼の熱で水蒸気を発生させる釜です。
これをタービンに送ることで、電気を起こします。
格納容器はもっとあっさりとしたネーミングで、container 、です。
コンテナつまり容れ物です。
厚みも約3cmで、後藤政志さんの資料「福島第一原発事故 Fukushima?-NPSAccident~炉心溶融・原子炉破損・格納容器破損~」によると、圧力容器に比べ格納容器はずいぶん貧弱につくられていることが分かります。

*クリックで拡大します
原子炉5重の壁ー燃料ペレット・燃料被覆管・原子炉圧力容器・原子炉格納容器・原子炉建屋ーが、放射能漏洩を防ぐといわれてきましたが、
設計条件・構造体から見て原子炉圧力容器が生命線です。
原子炉圧力容器が損傷したら、つまりここに穴があいたらアウトです。
16cmの壁に穴があいたら、3cmはひとたまりもないでしょう。

*後藤政志さんのコンテ
そこで、三番目に出て来る神話用語が「メルトダウン」です。
それはもう起こっていた、国民はつい最近そう聞かされました。
東電1号機「メルトダウン」認める
2、3号機もメルトダウンの可能性…東電認める
字句にこだわって大きな流れを見落とすことがあります。
その典型が「メルトダウン」です。
神話用語のフローチャートを描いてみましょう。
大きな流れをつかむことです。
すると、ウラン燃料棒が溶け、圧力容器・格納容器ともに損傷し、放射性物質が抜けておちている実態がつぶさに明らかになりました。
僕たちは「メルトダウン」に対し、なにか究極の恐ろしいこと、というイメージがありました。
では何が恐ろしいのか、それは何なのか、問いかけてみます。
それは圧力容器内の放射性物質が人間界に漏れ出たことです。
冷却停止のために水を入れ、多量の汚染水が垂れ流されていることです。
そして、それはすでに起こっている深刻な現実です。
それ以外に何が深刻な問題でしょうか。
メルトダウンによって核の防護壁が壊れ、放射性物質が人間界に漏れ出ること、これ以上のことが何かあるように考えるのは錯覚です。
今がまさにあってはならない最悪の事態なのです。
メルトダウン=放射性物質が人間界に漏れ出る
再爆発によってこれ以上の汚染地域の拡大は許されません。
そのうえで、僕らは核問題が時代を画す段階に入ったことを認識する必要があります。
なぜなら、メルトダウンによって圧力容器が壊れ、放射性物質が人間界に漏れ出したことで、原子力技術の破綻が明らかになったからです。
今がまさにあってはならない最悪の事態です。
神話=錯覚をつくり出したのは、学者、専門家だという気がいたします。
鋼鉄でできた圧力容器を素直に見ることです。
16cmというその厚みは、もっぱら設計条件である圧力・温度に合わせて設計されたものです。
全電源停止に陥ったとき、残る防護壁は圧力釜の16cmの壁一つでした。
もったいぶった専門用語が、かえって本質を見えなくしています。
専門用語にジャマされ真の姿が見えにくいだけです。
圧力容器というと何か特別な仕掛けのように僕らは感じさせられてきましたが、給水が止まれば、ただの圧力釜であることがはっきりしました。
気取りのない原子炉設計者がいたら聞いてみたいと思います。
「結局何の仕事してるんですか。」
「一言でいえば、大きな圧力釜の設計です。」
大きな圧力釜に穴があいて、中味がぶちまけになりました。
決められていた設計要件は圧力と温度ですから、それ以外のことが起きたら、圧力釜はお手上げで、寸分も安心できない代物です。
「原子炉圧力容器」「原子炉格納容器」「メルトダウン」・・・難解な専門用語で保護された原子力安全神話を、大衆があばく時が来ています。
小出裕章さんは、圧力容器・格納容器に穴があいた状態では、冷温停止が困難だと指摘し、石棺方式を検討すべき段階に入ったと指摘してます。
今日参議院行政監視委員会に小出裕章、孫正義、後藤政志、石橋克彦らが参考人招致されます。
原子力技術といわれているものの脆弱な実態が明らかにされるものと期待しています。
13時から、インターネットで中継される予定です。
原子力安全神話も言葉から始まっています。
日本原子力学会の資料によると、圧力容器の壁厚さは約16cmです。
圧力容器と訳されていますが、pressure vesselつまり圧力釜です。
設計条件は違いますが、構造は台所で弁(ベント)からシュシュと水蒸気を上げている、圧力釜といっしょです。
小出裕章さんが「原子力の専門家が原発に反対するわけ」のなかで、原子力発電を次のように定義しています。
“多くの人は、原子力というと科学の最先端で、とても難しいことをしていると思うでしょう。しかし、原子力発電でやっていることは単にお湯を沸かすことだけです。その点を取れば火力発電と同じで、沸かした湯気でタービンという羽根車を回し、それにつながった発電機で電気を起こしているにすぎません。”
原子力発電は湯沸かし器というわけです。
そうすれば、圧力容器はウラン燃焼の熱で水蒸気を発生させる釜です。
これをタービンに送ることで、電気を起こします。
格納容器はもっとあっさりとしたネーミングで、container 、です。
コンテナつまり容れ物です。
厚みも約3cmで、後藤政志さんの資料「福島第一原発事故 Fukushima?-NPSAccident~炉心溶融・原子炉破損・格納容器破損~」によると、圧力容器に比べ格納容器はずいぶん貧弱につくられていることが分かります。

*クリックで拡大します
原子炉5重の壁ー燃料ペレット・燃料被覆管・原子炉圧力容器・原子炉格納容器・原子炉建屋ーが、放射能漏洩を防ぐといわれてきましたが、
設計条件・構造体から見て原子炉圧力容器が生命線です。
原子炉圧力容器が損傷したら、つまりここに穴があいたらアウトです。
16cmの壁に穴があいたら、3cmはひとたまりもないでしょう。

*後藤政志さんのコンテ
そこで、三番目に出て来る神話用語が「メルトダウン」です。
それはもう起こっていた、国民はつい最近そう聞かされました。
東電1号機「メルトダウン」認める
2、3号機もメルトダウンの可能性…東電認める
字句にこだわって大きな流れを見落とすことがあります。
その典型が「メルトダウン」です。
神話用語のフローチャートを描いてみましょう。
大きな流れをつかむことです。
すると、ウラン燃料棒が溶け、圧力容器・格納容器ともに損傷し、放射性物質が抜けておちている実態がつぶさに明らかになりました。
僕たちは「メルトダウン」に対し、なにか究極の恐ろしいこと、というイメージがありました。
では何が恐ろしいのか、それは何なのか、問いかけてみます。
それは圧力容器内の放射性物質が人間界に漏れ出たことです。
冷却停止のために水を入れ、多量の汚染水が垂れ流されていることです。
そして、それはすでに起こっている深刻な現実です。
それ以外に何が深刻な問題でしょうか。
メルトダウンによって核の防護壁が壊れ、放射性物質が人間界に漏れ出ること、これ以上のことが何かあるように考えるのは錯覚です。
今がまさにあってはならない最悪の事態なのです。
メルトダウン=放射性物質が人間界に漏れ出る
再爆発によってこれ以上の汚染地域の拡大は許されません。
そのうえで、僕らは核問題が時代を画す段階に入ったことを認識する必要があります。
なぜなら、メルトダウンによって圧力容器が壊れ、放射性物質が人間界に漏れ出したことで、原子力技術の破綻が明らかになったからです。
今がまさにあってはならない最悪の事態です。
神話=錯覚をつくり出したのは、学者、専門家だという気がいたします。
鋼鉄でできた圧力容器を素直に見ることです。
16cmというその厚みは、もっぱら設計条件である圧力・温度に合わせて設計されたものです。
全電源停止に陥ったとき、残る防護壁は圧力釜の16cmの壁一つでした。
もったいぶった専門用語が、かえって本質を見えなくしています。
専門用語にジャマされ真の姿が見えにくいだけです。
圧力容器というと何か特別な仕掛けのように僕らは感じさせられてきましたが、給水が止まれば、ただの圧力釜であることがはっきりしました。
気取りのない原子炉設計者がいたら聞いてみたいと思います。
「結局何の仕事してるんですか。」
「一言でいえば、大きな圧力釜の設計です。」
大きな圧力釜に穴があいて、中味がぶちまけになりました。
決められていた設計要件は圧力と温度ですから、それ以外のことが起きたら、圧力釜はお手上げで、寸分も安心できない代物です。
「原子炉圧力容器」「原子炉格納容器」「メルトダウン」・・・難解な専門用語で保護された原子力安全神話を、大衆があばく時が来ています。
小出裕章さんは、圧力容器・格納容器に穴があいた状態では、冷温停止が困難だと指摘し、石棺方式を検討すべき段階に入ったと指摘してます。
今日参議院行政監視委員会に小出裕章、孫正義、後藤政志、石橋克彦らが参考人招致されます。
原子力技術といわれているものの脆弱な実態が明らかにされるものと期待しています。
13時から、インターネットで中継される予定です。
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