新型バブルが発生している? その四
2017-06-28 Wed 06:09
 新型バブルとは何でしょうか。
 それは、新たなレバリッジ法だと考えることができますが、その点の分析は後述いたします。

 まずは佐藤理論との比較で見ていきたいと思います。
 自分の体験、学んだことから、バブルには大前提があるのだと考えるようになりました。
 国策です。

 バブルには、そして国策がレバリッジの成立する根拠であるという特徴が見てとれます。

 国策にのる。
 国策の持つ歪みにつけ込むといってもいいでしょう。

 バブル期のように、現在の経済社会がユーフォリア(熱狂的陶酔感)に包まれているとはとうてい言えません。
 むしろ、静的です。
 比較でいえば、熱狂に対する冷たいバブル、とでも表現しようがないのです。

 それは経済社会の一角で進行する、部分的でしかし鋭いレバリッジを秘めた資産拡大形成の動きです。
 いくつかの現象が見られます。
 自社株買い、M&Aなどもその典型的な例(同じ論理)といえるでしょうが、ここでは主として不動産「バブル」をとり上げます。

 今問われるべき国策は何でしょう。
 アベノミクスです。
 とりわけ中央銀行(日銀)がつくり出した、歪みです。

 中央銀行バブルです。

年利がすごいな

 写真を見てください。
「年利率0.65%」
 下段に掲載したYouTube「クローズアップ現代2016年12月19日」の一場面です。

 銀行から借金をし、賃貸マンションを建築、買収し、そこから利ざやを稼ぐ仕組みをつくり上げます。
 直近に現れているニュー錬金術です。
 やっていることは佐藤理論、バブル期とまったく変わりません。

 0.65%です。
 すごい。
 驚嘆いたします。

 それもほぼフルローンです。
 全額借金ですから、強烈なレバリッジを効かせる手法です。
 そのエキサイティングな投資法には一瞬魅せられます。

 しかしこれが地獄への免罪符になるとは思えません。
 キーになるのは、これが変動金利であることです。
 クローズアップ現代はその点の詳細を省略していますから、私の推測になるのですが、不動産投資ローンは変動金利です。

 マーケットは非情です。
 変動から固定へ乗り換える隙さえ与えないほどに、ボラティリティが跳ね上がる。
 そういう危うさを無視して、リバリッジを掛ける先には破滅への道が待ち受けています。

 この手法を提案し、理論化したかっこうのテキストがあります。
 玉川陽介『Excelでできる 不動産投資「収益計算」のすべて』(技術評論社 2017/3/16)です。
 第1部「収益構造理解編」第2章「銀行融資のすべて」のなかで次のように述べています。(P.51)

“じつは、筆者は、不動産投資において、不動産は融資を得るための媒介物にすぎず、重要なのは不動産そのものよりも融資だと考えています。
 融資を中心に据えた不動産投資とは、金融政策により生じた金融システムの歪みを利益に変える「金融システムハック」のようなもなのです。”


 ハック (hack)とは便利な小技のことです。
 彼に語ってもらえば「歴史的な低金利を利益に変えるための有効な手段」(P.63)のことです。
 「歴史的な低金利」は、黒田日銀がアベノミクスの一環として断行した異次元金融緩和以下の超金融緩和政策によってもたらされました。

 彼は、ズバリ国策にのった妙手をさします。
 
 彼は、不動産利益の源泉が「高い賃料収入(純利回り)と低い低金利の差額(スプレッド)」(P.12)だと資産形成の基本を押さえます。
 それを支える基本線、基準線になっているのが「歴史的な低金利」です。
 これが歪みの正体であり、富の源泉です。

 第2部「収益シミュレーション 実践編」はよくできたExcel版ですが、これが通用する期間はたぶんに歴史的であることを指摘しておきたいと思います。
 私は、国策が破綻しないかぎりと限定を付けたいと思います。

 週末は仙台を旅行します。
 いちおうのまとめとして、「新型バブルが発生している? その五」をアップしてから出かける予定です。


クローズアップ現代2016年12月19日
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