エネルギー収支比を研究するためのマンダラ・ノート
2017-06-15 Thu 14:51
 そろそろ見取り図を描いておかないと、どこへさまようものか分かったものではありません。
 自分の現状知と「未」知との落差を見える化するためのツールとしてマンダラノートを使っています。
 なにをどのくらい学習するか、研究の対象をどう絞り込むか、見積もっておこうというわけです。

 さて、下記のブログに書いたとおり、エネルギー収支比(Energy Returned on Energy Invested・EROEI)が今一番関心をもっている中核的概念です。

水野和夫『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』をエネルギー収支比から読み解く

 ざっくとしたイメージは「ウサギを捕まえるためのエネルギーが捕まえたウサギのエネルギーより大きいならば、 いくらウサギがいたとしても、インディアンは生きていけない。」と記したとおりです。
 水野和夫氏は、同書P.227「図20 エネルギーの崖」に基づいて、次のように述べています。
(水野氏が掲載した図表は著作権がありますから、氏が作成に利用した原図を代用にかかげておきます。)

「エネルギー収支比のわるいシェール・オイルをあてにするようになったということは、化石燃料に依存する社会が限界に近づいていることを示しています。」


出典=Why EROEI Matters: the Role of Net Energy in the Survival of Civilization

 水野氏はシェール・オイルのエネルギー収支比が2に近いことを指摘していますが、原典には「シェール・オイル」の表示はありません。
 エネルギー収支比の算定には「2〜4」「3〜5」と諸説ありますが、いずれにしてもエネルギー収支比の低いシェールオイルがエネルギー収支比の高い在来型石油からシェアを奪う「シェール革命」の正体は、アメリカの覇権など政治や経済的利害がからむ問題であることはうっすらと見えてきます。
 「化石燃料に依存する社会が限界に近づいていることを示しています。」とだけとは言えないのですが、これはこれでおもしろい問題にしても、僕の手に余ります。

 まずは自分の能力に応じて選択と集中です。
 熱力学を復習しておかないとエネルギー収支比を正確に把握することはできなさそうです。

 そこで、たとえば以前読んだジェレミー・リフキン著・ 竹内 均訳『エントロピーの法則―地球の環境破壊を救う英知』は熱力学の第二法則について次のように述べています。

“熱力学の第二法則、つまり「エントロピーの法則」は、次のように表されている。
「物質とエネルギーは一つの方向にのみ、すなわち使用可能なものから使用不可能なものへ、あるいは利用可能なものから利用不可能なものへ、あるいはまた、秩序化されたものから、無秩序化されたものへと変化する。”

 これに対して、次の指摘がなされています。(以下出典省略)
“"Entropy is disorder" is an archaic, misleading definition of entropy dating from the late 19th century before knowledge of molecular behavior, of quantum mechanics and molecular energy levels, or of the Third Law of thermodynamics.
「エントロピーは無秩序である」とは、分子動態、量子力学、分子エネルギー準位、または熱力学の第3法則を知る前の、19世紀後半のエントロピーの古風で誤解を招く定義です。”
“Defining entropy increase as a change from order to disorder is misleading at best and incorrect at worst.
秩序から無秩序への変化としてエントロピー増加を定義することは、誤解を招きやすく、最悪では間違っている。”
“An unfortunate conflation of the concepts of entropy and disorder has resulted in widespread misunderstanding of what thermodynamic entropy actually means.
エントロピーと無秩序という概念の残念な結びつきは、 熱力学的エントロピーが実際に意味することの広範な誤解をもたらした。”

 そこで、第一の目標は、竹内 薫『ファインマン物理学」を読む 力学と熱力学を中心として 』を基本テキストに再学習に取り組むことです。
 
 そうしたあれやこれやを検討し、下の見取り図=マンダラ・ノートを描いてみました。

Mandala-note:エネルギー収支比(EEROEI)研究の見取り図
関連記事
スポンサーサイト
別窓 | 道具・方法は知の増幅装置 | コメント:0 | トラックバック:0 | ∧top | under∨
<<そしてお友達しか救えなかった、ドリル「国家戦略特区」 | 三保小次郎日誌 | 二十六年間手入らずの家の秘密 その三>>
この記事のコメント
∧top | under∨
コメントの投稿

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
∧top | under∨
| 三保小次郎日誌 |