五島美術館『春の優品展 歌仙と歌枕』、花も団子も
2017-04-28 Fri 06:17
 年会員になってからは季節毎に訪れるようになりました。

 徒歩で五六分ですから回り道し、上野毛駅から五島美術館まで周辺の邸宅を見物しながら歩きます。

 美術館の楽しみ方はそれぞれでしょうが、まずはランチ、腹ごしらえです。
 こじゃれた店もあるにはありますが、月に何回か方々の美術館を巡ります。
 基本、すべての面で「普段着」です。

 吉兆上野毛店で日替わりランチ、御飯、みそ汁、お新香。
 名前は名店と間違いそうですが、もう街から消えてしまった大衆食堂です。
 テーブルも椅子もその配置も学生時代に戻ったように感じます。

 どこの街へ行っても金太郎飴です。
 巨大なビルが小さな店をみんな吸い込んでしまって、大衆食堂やラーメン屋、それに近ごろは蕎麦屋も消えてしまった。
 あるのはチェーン店ばかりです。

 大戸屋、日高屋、吉野家、餃子の王将、すき家、マクドナルド・・・

 連休前の平日で観客も少なく、お庭も独り占めできます。
 庭園からは真西の方向が開けていて、二子玉の高層ビル群が望め、なぜだか空が意識できて、深呼吸したくなります。
 今日はツツジがみごと、庭園はたぶん日々かわっていくのでしょうね。

五島美術館02

五島美術館03

『春の優品展 歌仙と歌枕』は平安・鎌倉時代の古筆が中心です。
 乱筆悪筆でワープロ専用機が出るまで字を書くのが苦手でしたから、いまだになじめません。
 どうしても避けてしまいます。

 さて「歌仙と歌枕」に向かいます。
 お庭にまっ先に出たのも、「古筆」を観ても何がよいのやら、まったく手も足も出ないからです。

 陶磁がそうでした。
 矢部良明『日本陶磁の一万二千年』をしっかり学習してからは、古本ですが『日本陶磁全集』『日本の陶磁』『図説茶道体験』を辞書代わりに、その都度引く。
 それで少しは楽しめるようになったと思います。

 まずはきっちり歴史から学んでいくしかありません。
 感性などと分けの分からない「もの」ですましていると、楽しめるものも楽しめなくなります。

 そういう体験があるものですから、このままスルーしつづければせっかくの楽しみにどこか偏りが出そうです。 
 何か手引きはないか。
 以前からそう考えていたのですが、適当なテキストが見つかりません。

 ミュージアム・ショップで立ち読み。
 大東急記念文庫が過去に行った文化講座の講演録をまとめた『文化講座講演録 万葉集1 -万葉集の形成-』、
 これに小松茂美「万葉集の古筆」がのっておりました。
 
 固そうな学術本のようですが、「古筆」の一文字を頼りに求めました。

 基本の基本を教えてくれているのですが、分かりやすくするために、薄めていません。
 講演ですが、かえって活字になって、音ではなく、字から学べるのも大変貴重です。
 音だときっと意味を取れていないでしょう。

 この本が出版されたのが1975年です。
 内容的にはたぶんさわり、ガイダンスなんでしょうが、それでは片づけられない、学識というものなんでしょう、ふくらみがあって五十頁を一気に読み進みます。

 これをたずさえていれば少しは眼が開かれるかもしれません。
 少しずつでも「古筆」を観て自分も成長していけそうです。
 うんちくおじいさんにならないようを気をつけて、自分のなかに蓄えていく。

 美術館は利用しようによって帰宅してからも充分楽しめますね。
 長く、ゆっくり楽しめます。
 そして次はもっと楽しめるでしょう。

五島美術館04

五島美術館01

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