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哲学初学者は第一歩で「実在」の文字につまずく
2016-01-25 Mon 15:09
丸ごと、しかも生のままかじっても、吐出してしまうのが関の山だ。
『存在と時間』は語学の弱い者には見たこともないなまものを口にするようなもので、調理されないで食えたものではない。
いわば「ゲテモノ」なんだが、半年かけてこれを読み切ろう、多少は分かったつもりになろうと『存在と時間』理解の旅をスタートさせた。

英語のスペリングからかろうじて意味は取れるものの、ドイツ語を読み下す読解力はない。
ましてハイデガーのそれはドイツ人でも書かれている意味を読み取るのに苦労する、難解な文章だとされている。
文章を読むためだけにそんな途方もない手間ひま、下準備はかけられない。

木田 元がいた。

以前から彼の著作はボチボチと読んではいたが、まとまって(集中して)取組んだことはなかった。

たとえば“実在”という言葉だ。
こいつには手を焼いた。
そもそも“実在”というのが分からないから、七面倒くさい哲学を読む気になった。

なのにどの本を見ても“実在”“実在”“実在”とくり返される。

初学者には、意味の分からないお経を聞かされるようなもので、落語の寿限無よろしく、やがて途方にくれる。

そして、いずれそこから放り出される。

ところが木田 元でころっと“実在”がフトコロに入った。
すこしは飲み込めた。

ハイデガーは『現象学の根本問題』のなかで、カントの存在概念を検討する。
「存在するということは事象内容を示す述語ではない」という件(カントのテーゼ)を解説した一節だ。
カントの『神の存在証明の唯一可能な証明根拠』、『純粋理性批判』に出てくる〈real〉〈Realität〉が、従来「実在的」「実在性」と解され訳されてきたが、それは重大な誤りだとハイデガーは指摘する。

木田 元は次のように評価する。

“ところが、ハイデガーはここで、この〈real、レアール〉〈Realität、レアリテート〉を〈実在的〉〈実在性〉と解するのは間違いだという。もともと〈real〉という形容詞は〈物〉を意味するラテン語の〈res、レース〉に由来し、〈事物の事象内容に属する〉〈事物の事象内容を示す〉といった意味である。少なくともカント時代まではそういう意味でしか使われていなかったということを、ハイデガーはスコラの哲学者やデカルトから用例を挙げて論証してみせる。これだけでも驚くべき発見である。これだけ読み継がれ研究されつくしたカントの『純粋理性批判』のそれももっとも核心をなす部分について、永いあいだ大きな誤解のあったことを指摘し、訂正してみせるのであるから。(木田元『わたくしの哲学入門』、P.172)”

木田 元は、六十数年間なめるよう『存在と時間』を読込んできた。
ハイデガーもすごいが、初学者には木田 元は救世主だ。
一生かけてもたどり着けない。

「存在するということは事象内容を示す述語ではない」
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