『武士の献立』に足らない設え
2015-02-20 Fri 14:33
原作大石直紀『武士の献立』(小学館文庫 P.153)にはこうあります。

“その日の夕刻ー。
いつもは二人そろって帰宅するのに、この日は安信だけが先に帰って来た。
「父上はいっしょではなかったか。」
満が訊いた。
「大樋焼の窯元に行きました。今夜は一晩火入れに付き合われて、家には帰らぬとのこと」
大樋焼は、五代藩主、前田綱紀の手厚い保護の許に、加賀で発展した楽焼きである。饗応料理に相応しい器となるよう、伝内は窯元に細かい注文をつけているようだ。”



遅まきながら映画を観ました。
饗応の宴、御膳シーン。
九谷焼、山中漆器、輪島塗は見ることができたのですが、大樋焼を見つけることはできませんでした。

楽焼きの流れをくむ大樋焼は映画映えしないのでしょう。
外されたのでしょうか。
主役は恋愛、しょせん献立まして器、刺身のつまというわけです。

この辺りに日本映画の底の浅さ、つまらなさがひそんでいるのだと思います。

新幹線が開通するのでと思いながらも昨年は二度金沢に遊びました。
大樋焼の窯元もたずねました。
両者には本家窯元をめぐる裁判がありましたが、優劣をつけられるものではありません。

大樋焼本家窯元・九代目大樋勘兵衛

大樋焼本家十代長左衛門窯

好き嫌いでいえば、大樋焼本家窯八代目・大樋長楽(1902〜1991)(陶玄斎)の作品をいくつか集めています。

献立[後御菓子]
一、有平糖
一、舞鶴
一、落雁

長楽の飴釉大樋平茶碗でお抹茶をいただけば申し分ありません。


武士の献立 (小学館文庫)武士の献立 (小学館文庫)
(2013/11/06)
大石 直紀

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