プーチンの金融戦争ーリーマンショック再来か、米国ジャンク債市場ー
2014-12-14 Sun 10:32
「ロシアの資本主義は、そのはなはだしい後進性ゆえに、帝国主義の鎖における最も弱い環であった。」

トロッキー『次は何か』(原題は「ドイツ革命とスターリン官僚制」、1932年1月27日)序文の巻頭にある一節です。
ロシアは今日も資本主義の「鎖における最も弱い環」でしょうか。
ソビエト社会主義共和国連邦が地球上に存在しなくなって、超大国から滑り落ちた「小国」でしょうか。

ニュースの字面だけを追っているといかにも、そう見えてきます。

実際、今週世界の株式が全面安の中、もっとも手きびしい下落に見舞われたのはロシア(RTS)です。
12.06%の下落率(週)です。
ロシア通貨ルーブルも売られています。

ロシアをしり目に、日本株の投資家は総選挙の結果を見極めたのか、安心し切っていました。
12日、日経平均はプラス114.18円で引けています。
しかしその夜、NY株は315ドル急落します。

日本が総選挙に浮かれている間、世界中の株が急落を始めていたのです。

さて、今日資本主義の「鎖における最も弱い環」はどこでしょう。
一番手きびしくマーケットから叱責されているのはロシアに見えます。
ではやはりロシアでしょうか。

資本主義は米国のQE、日本の異次元金融緩和といった人工呼吸器で息をつている、いまだICUから出れない患者です。
米国はこれを外し、利上げへと踏み出そうとしていました。

こんななか原油が急落します。
6月から四割低下しています。
60ドルを割れました。

ウクライナで問題を起こしているロシアを追い込むために、アメリカとサウジが結託し、原油相場の低落をはかったという説が流れました。
石油・天然ガスを中心とする燃料・エネルギー製品の輸出額がロシアの輸出額全体の3分の2を占めているからです。
ところがロシアも原油の下落をうながしたらしい。

これはウラジーミル・プーチンロシア連邦大統領が仕掛けた金融戦争だという説が流布されています。
「肉を切らせて骨を断つ」、柔道家プーチンの戦略であると。
ずいぶんうがった見方ですが、説明が少し要りそうです。

原油が下がれば、先進国は交易条件が好転し、潤います。
株も上がるはずです。
実際原発の止まっている日本はこれで一息ついています。

ところが世界中の株がいっせいに急落したのです。

理屈に合いません。

思い起こしましょう、たった6年前、2008年9月15日のリーマンショック。
アメリカの大銀行、大投資会社、大証券、大保険が軒並み破綻しました。
引き金はサブプライムローンでした。

あの時から資本主義は何か変わったでしょうか。
立ち直ったでしょうか。
プーチンはどう捉えているのか。

彼は何一つ変わっていないということを知り抜いています。

アメリカの好景気を支えている一因として「シェール革命」が上げられます。
シェール企業が資金を調達するため発行している債券が、ジャンク債(ハイイールド債)です。
投資家、投資会社はサブプライムローンがそうであったように、数十倍のレバリッジを掛け、利益を上げていました。

原油の下落によって、シェール石油は採算割れを起こしはじめているとうわさされています。
そうなると、シェール企業は倒産し、ジャンク債は紙くずです。
ヘッジファンドはいっせいにジャンク債の空売りに動いると報道されています。

“ビル・グロース氏は12日、ブルームバーグサーベイランスのインタビューで、低格付け債を中心に社債市場には「流動性がほとんどない」と指摘。「非常に狭いドアを誰もが何とか通り抜けようとしている状況だ」との見方を示した。”(「最悪の状況に備える投資家-原油安でドル建て社債流動性に不安」から)

サブプライムローンが引き起こしたリーマンショックのような事態におちいるのかどうか、分かりません。
しかし、資本主義の「鎖における最も弱い環」は債券市場にひそんでいることだけは確かです。

総選挙日です。

最悪を選ぶ選挙にならないか。
そう心配を抱きながら、ちょい良いを選択することにしました。
比例は民主党、小選挙区も民主党候補者に入れることに決めました。

マッケットも政治も週明け大きく荒れるのでしょう。
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