今さら尺貫法
2014-10-15 Wed 16:06
時計が一二進法・六十進法から十進法に無理矢理変えられたことがある。

一七九三年、フランス革命の立法府となった国民公会(仏: Convention nationale)は度量衡にメートル法を入れ、時計を一日十時間、一時間百分、一分間百秒にかえた。
フランス革命がナポレオン・ボナパルトによる帝制樹立によって頓挫するはるか手前で廃止となった。
同じ過ちを一九九八年スイスの複合企業スウォッチがくり返すが、「革命的展望をもつ時間」はあえなく挫折している。

たぶん長い間使われつづけた一二進法・六十進法の時計にはいつしか命が宿っていたのだ。

それに分割しやすい。
一二は2、3、4、6で割り切れる。
六十はそれに10、12、15、20、30が加わる。

一時間が100分だとどうか。
三分の一時間は何分か。
33.33333333・・・・分。

時間は細切れにして使う。

分割しやすいかどうかは決め手になる。

日本では尺貫法が、英国ではヤード・ポンド法がメートル法に変わっている。
仕事師はずいぶん使いづらくなった。
大工さんや裁縫師など現場の職人さんは長いあいだ表向きメートルに換算しながらも実態は尺寸を使っていたが、今ではどうだろう。

メートル・デザインという用語はないが、そこで何が失われたか考えることは必要だろう。

ル・コルビュジェは『モジュロール 1』(鹿島出版会・1976/11/5・吉阪隆正訳)で次のように語っている。

“建築の災厄は、それはコンパスだ(コペルニクスのそれではなく)、美術学校のコンパス、尺度にも寸法にも無関心な、1mも100mも1kmも区別なしに取扱い、骨も肉も生命も血もない抽象的な操作によるものだ。”(P.150)


モデュロール 1 (SD選書 111)モデュロール 1 (SD選書 111)
(1976/11/05)
ル・コルビュジェ

商品詳細を見る
関連記事
スポンサーサイト
別窓 | 道具・方法は知の増幅装置 | コメント:0 | トラックバック:0 | ∧top | under∨
<<干し貝柱の酒盗漬け | 三保小次郎日誌 | ある明け方>>
この記事のコメント
∧top | under∨
コメントの投稿

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
∧top | under∨
| 三保小次郎日誌 |