スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 | ∧top | under∨
藤沢周平『早春』のこと
2014-08-27 Wed 09:40
長袖を着込んだ。
雨であるが蒸した感じは消えている。
むしろ冷感な風が時々雨を打ちつける音が聞こえてくる。

昨夜は秋が迫っている感じがあって、タオルケットにくるまった。

身近に藤沢周平を好きな人がいてすすめられるが、読んだことはない。
原作の映画の方はほとんど見ている。
『蟬しぐれ』『たそがれ清兵衛』『隠し剣 鬼の爪』『武士の一分』『小川の辺』『必死剣 鳥刺し』

長いのはこまるが、短編なら目をとおせそうだと考えながら、ブックオフの書棚を縦横にめぐらし、薄めの本を取ってみた。

『早春 その他』(文春文庫)とある。
初出の短編「深い霧」のタイトルの裏頁にエンピツで系図のように関係者の名前で関係図が書かれてあった。
書き込みがあるのを買うというのも変に感じるかもしれないが、古本である、これぐらい付加価値があった方がよい。

「現代小説を書いてるの?」

意外という反応である。
くわしくないからなんとも答えられず、『早春』の感想をいった。

時代・歴史小説とは違う。
背負っているものが軽い。
奥行きを浅く感じるのはそのためだろうか。

藩とか、時代とか、手に負えないしがらみ。
すなおにそれが会社であり、家庭に置き換えようがない。
もちろん映画との比較をいったまでだ。

不満そうな顔だ。

おもねるつもりはなくいった。
「好きな書き手だ。」
思い浮かべていたのは、岡村が妻の喪から数ヶ月、気持ちに立ち直りのきざしがみえはじめた頃のくだりだ。

妻の看護のため、自分から申し入れた本社勤務。
資料整理の窓際仕事に不満がもたげ、上司に市場調査に出してくれるよう申し入れる。
どこの職場にもありそうな小さな事件。

すかさず上司は岡村を下階の喫茶店にさそう。

「岡村君はたしか、奥さんの発病に間に合って、十分に看護して上げることができたんでしたね」
「はい」
「上等じゃないですか」
橋本は深い声音で言った。

どこにもありそうな会話描写。
読者の気持ちをわしづかみする。
迫真であった。
関連記事
スポンサーサイト
別窓 | 読書趣味おしゃれに旅健康 | コメント:0 | トラックバック:0 | ∧top | under∨
| 三保小次郎日誌 |
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。