街歩きは、そのままウォーキングにつながる。
歩くことを目的に歩くことは苦痛だ。
競技者だけがタイムを追い求め、目的とも目標ともなる。
鴬谷の鳥椿についたのは昼前だった。
ラガーをのどにながしこむ。
定番の油淋肝、ハムカツ、アボカドメンチ、厚切りのハムカツ。
おろしポン酢、鳥鍋めしで〆にした。
鴬谷下から陸橋をわたる。
鴬谷駅南口はどこか田舎駅の風情。
寛永寺と忍岡中学校の間を登る新坂(しんざか)。
すぐそこが東京国立博物館。


特別展「京都―洛中洛外図と障壁画の美」。
障壁画(京都御所、二条城、龍安寺)は人だかりで埋めつくされ、遠目からざっと鑑賞。
もっぱらすいている本館、東洋館、法隆寺宝物館をゆっくり見て回る。
上野から日暮里へ出た。
駅側のホテル・ラングウッド。
荷物を置きシャワーし、すぐに外出。
駒込へ行く。
当てにしていた小料理屋は貸し切り。
早めの夕食のつもりが七時をまわる。
食にこだわり、一時間以上歩きまわる。
「クマちゃん」の看板。

カウンター席には常連とおぼしき老人。
となりに腰かける。
話がはずんだ。
六十定年から二十年、元銀行マン氏の物語りは聞きごたえがあった。
「又来なさいね。」
年金暮らしで、日頃はコンビニ総菜と熱かん、月一二度顔を出すそうだ。
日暮里に取って返し、すこしは見て回ろう思ったが、酔いも手伝っておぼつかない。
22,536歩。
歩きがいがあった。