2013-10-31 Thu 07:44
(人生で)一番魅惑的な行いはサボることだ。
平日、小銭入れをポッケに映画館に入る。 ランチする。 街を歩きまわる。 夕方の立ち飲み屋でひっかける。 ワルを学んだのは主婦からだ。 昼間の劇場、レストラン、イベント会場どこも女ばかりだった。 自営になった32のとき、好きな時に本屋にいける楽しみを知ったが、かわいいものだ。 1980年代に入ったばかりのころだ。 男は数えるほどもいない。 まして若い男はいぶかしげな目で見られる始末だった。 一部の主婦だろうが、昼間を気ままにもてあそんでいた。 あさましく、うらやましい身分だと思った。 バブル絶頂期は10年後におとずれたが、彼女たちは時代に先駆け、ビールの泡のような大人の苦みをのどにながしこんでいた。 自由な時間を手に入れた者のおごりで輝いていた。 あきれはしなかった。 むしろ学ぶべきことがあった。 僕といえば余裕がなく、こじゃれたレストランに入るわけでもなかったし、豪勢な買物とも無縁だった。 ひたすら自由な時間のなか、裕福ではなかったが、満ち足りていた。 独立自営の経営者(自営者)は、チェーン店に破れ、街から消えようとしている。 自営のよさもいっしょに失われるのだろうか。 ひと言でいえば、仕事が生活のリズムを強要しない時間自由民。 いまの生活と引き換えにできものは何もない。 金がなければないなりに、あればあったで楽しめる。
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