2013-03-31 Sun 08:15
絶望は数値にできないとしても、「絶望的」状況は数値化できるかもしれない。
イチエフ[福島第一原発]を俯瞰すれば「絶望的」状況が見えてくる。 東京新聞は毎週『福島第一の1週間』を伝えている。 福島第一原発の現状[1〜4号機]を図化したものを毎回掲載し、 (建屋内の線量はこれまでの計測値)の数字が書き込まれてある。 4号機のそれは、毎時0.1〜0.6ミリシーベルト。 1〜3号機は、4号機の百倍以上、2桁はね上がる。 いずれも毎時だ。 ・23〜1万1100ミリシーベルト ・5〜7万2900ミリシーベルト ・10〜4780ミリシーベルト ウィキペディア「被曝」によれば、 一般公衆の1年間の被曝の限度は1ミリシーベルト。 緊急災害復旧作業(民間の臨時復旧作業者も含む)における原子炉の冷却や放射性物質放出抑制設備の機能維持のための作業者は累計100ミリシーベル。 これを基準にイチエフを見てみよう。 1日は24時間、1年間は365日だから、1年間は8,760時間。 イチエフ建屋内の被曝環境にあって、年間の被曝量はざっくり1万倍して見ることだ。 そうしないと、単位が違って、基準との間に感覚的ズレが生まれてしまう。 認識に達する手前で、数値にごまかされてしまう。 基準となる一般人の被爆線量年間1ミリシーベルトに対し、4号機はおよそ年間換算で、 ・1000〜6000ミリシーベルト それでも福島第一原発4号機はまだ増しなんだと思う。 残る3機の中で線量のもっとも低い3号機でも、一万倍すれば約5万〜7億ミリシーベルトに達する。 4号機の損傷状況はまだ目視できる。 なんとか人が立ち入って、人の目で確認できている。 現に1〜3号機とくらべれば作業も進んでいる。 累計100ミリシーベルトを超えないよう、分刻みで作業工程を組む(組める)。 1~3号機は人の目、人そのものを寄せ付けない。 人が立ち入れないのだから、感知したデータから損傷を間接的に推測するしかない。 損傷箇所を見つけることも、ましてさらに時間のかかる補修作業はできようもない。 手の施しようがないのだ。 万単位を超えるミリシーベルトは「絶望的」状況を表す数値なんだと思う。
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