白川メモー成長力の強化のためにー
2012-02-08 Wed 08:36
よくメモをつくる。
これと思う記事、論文はデジタル・メモをつくる。
ポイントの要点を抜き書きした「ポイント・レビュー」だ。

すべてをデジタルで作業できないのが難点だが、日経電子版ができたので、「経済教室」のポイント・レビューは手間がはぶけるようになった。
ネットから収集する論文等は、デジタル化されているから、メモづくりの作業が容易い。
日本銀行総裁白川方明の講演記録〈下段参照〉から、「白川メモ」をつくる。

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1.現状[問題意識]
日本経済の成長率は趨勢的に低下してる。なかでも2000 年代以降の低成長の主因は世界の経済史に例を見ないような急速な高齢化や人口減少である。
2.分析視点
成長率の動きは就業者の伸びと就業者一人当たりのGDP の成長率、すなわち、生産性の上昇率に分解できる。
この二つを押さえると、急速な高齢化による就業者の減少と生産性の伸び悩みによって、低成長が生じていることがはっきりする。
3.予測
将来の成長率はどうなるか。
人口動態の長期的な予測のもとで、高齢層や女性の労働参加率が現状のまま推移したと仮定した場合、将来の就業者数の減少率は、ますます大きくなるから、これと生産性上昇率を足し合わせれば経済成長率になる。
生産性上昇率が過去20 年間の平均程度である1%程度だとすると、結局、2010 年代以降の経済成長は年平均で0%台の前半にとどまり、2030 年代にはマイナス成長が定着する、と予測できる。

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4.成長力の強化のために何を行うべきか
就業者数は、高齢者や女性が働きやすい環境を整えることにより、就業者数の減少スピードを和らげることは可能である。
労働生産性の上昇率引き上げについては、3つほどポイントがある。

“ 第1は、グローバリゼーションという大きな流れを最大限に活用することです。成長著しい新興国の需要を中心に、海外需要を積極的に取り込む必要があることは言うまでもありません。同時に、日本の市場や社会を積極的に開放することも重要です。内外双方向で、モノ、カネ、ヒトの往来が活発になれば、アイディアやビジネス・チャンスが生まれる可能性も高まると考えられます。”

“第2は、内需掘り起こしへの挑戦です。先ほど述べた高齢層に限らず、国民の価値観やライフスタイルは多様化してきています。企業がそれらの潜在ニーズを現実の市場拡大につなげていくよう取り組むとともに、規制緩和の推進などによって企業がチャレンジしやすい環境整備を進めていくことが重要です。” 

“ 第3は、以上の外需・内需の両面作戦をダイナミックに展開していくために、労働や資本を成長の可能性が高いビジネスへと円滑に移動させていくことです。これは、企業内における人材や資本の有効活用に加えて、経済全体での活発な新陳代謝を促していくことにほかなりませんが、それを過度な社会的ストレスを伴わずに進めていくには、転職や起業をサポートする仕組みの強化やセーフティーネットの充実が求められます。そして何よりも重要なことは、新陳代謝を受け入れ新しいことへの挑戦を社会全体で応援する価値観を共有することです。”

・『高度成長から安定成長へ―日本の経験と新興国経済への含意―』(2011年5月5日)
・『日本経済:現状、見通し、課題ー名古屋での経済界代表者との懇談における挨拶ー』(2011年11月28日)
・『グローバリゼーションと人口高齢化:日本の課題─ 日本経済団体連合会評議員会における講演 ─』(2011年12月22日)
・『デレバレッジと経済成長―先進国は日本が過去に歩んだ「長く曲がりくねった道」を辿っていくのか?―』(2012年1月10日)
[使用した図表は、以上の講演記録から転載した。]
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