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水野和夫『終わりなき危機』ノート6
2011-09-29 Thu 16:05
「あとがき」のようなメモ

全4章の各所に同じ論旨が蒸し返される。
そのリフレインを煩雑だと感じ、悪文だとも思う。
しかし整然としてはいないが、くり返されることで説得されていくのだから、あえて章立てにこだわることもない。

「近代が終焉する」というのは一つの歴史観である。

そしてその歴史観は本書に間断なく流れつづけている通奏低音(つうそうていおん)なのだから、反復をいとうこともない。

水野氏は、その着想をカール・シュミット『陸と海と―世界史的一考察』(慈学社出版、2006/11)から獲得している。

しかも、終焉する近代にあって、次の時代がいかなるものになるか見出せないまま、混迷の時代に入ることを予言する。

さて、断定的で独白のような歴史観を支えているのはデータといってしまえば陳腐にすぎる。
例えば“相関係数”図表は七ヶ所用いられている。

P.066「大企業・製造業の売上高と人件費の関係」
P.126「日本の長期金利とISバランスの関係」
P.143「リーマンショックによる落ち込みをほぼ取り戻した輸出主導国」
P.144「長期停滞の可能性が高い消費主導国(住宅バブル崩壊国)」
P.155「米国のULCとUPの関係」
P.252「賃金と消費者物価の関係」
P.348「フィリップス曲線の崩壊」

Excelとデータがあれば、とりあげた事実と事実の相関を自分で確かめることができる。
パソコン上では普通になりつつある感覚によって確かめた関係図が、歴史観を補ってあまりあるのである。
相関関係図を描くことでぼけていた歴史の輪郭、不確かな歴史意識が焦点を結んでくる。

そして、見えてくるはずの21世紀は、近代がやがてさしかかる断末魔の咆哮によって、騒然としてくるのであろう。


陸と海と―世界史的一考察陸と海と―世界史的一考察
(2006/11)
カール・シュミット

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