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日本にインフレが起こらない理由
2019-05-24 Fri 14:15
商店街→スーパー(大型店舗)→コンビニ(シャッター通り)→ネット宅配

買い物をした中心の場所がどこであったか、ざっと書き出してみた。
ここ、四、五十年の変化である。
どれも今でも利用しているのだが、軸がどう動いてきたか、自分なりにたどってみた。

商店街は徒歩圏内にあった。
スーパーや大型店舗が郊外へも進出するにしたがい、車が必要になった。
コンビニは、衰退した商店街機能の一部を担った。

そして、この頃はネット宅配の割合がぐんと増え、自ら動く必要がなくなった。
これまで消費者が費やしていた「ムダ」な労力が省かれ、ネットという「命令」一つで物が手に入るようになった。
そして、何が起こったかに興味がわいた。

“El-Erian: These three companies are driving inflation down”

モハメド・エラリアンによると、「米国にインフレが起こらない理由は、Amazon、Google、Uberの組み合わせによるものだ。Amazonは中抜きでのコスト削減を意味し、ほとんどの人から価格決定力を奪っている。Googleは誰でも検索を可能にし、検索コストはとても安く、これも価格決定力を奪う。・・・Uberは既存の市場に乗り込んできて、価格を押し下げる。」(翻訳 テック企業がフィリップス曲線を破壊した:モハメド・エラリアン

日本は長い間のデフレを抜け、物価がフラットなディスインフレにいたっている。
米国とは明確に異なったブロセスをたどった。
「日本にインフレが起こらなかった理由」の大半は、前世紀末の金融危機に打たれた政策の結果で説明できそうだ。

アメリカとは違っていた。
でも、と思う。
消費者としての自分の行動を見つめ直した時、「米国にインフレが起こらない理由」を無視して、今のディスインフレ世界の正確な認識はできないだろう、と。
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京都安売り、日本バーゲンセール
2019-05-05 Sun 07:40
 京都の旅はうんざりした。
 どこの国かわからない。
 聞きなれない言語がごった返していた。
 
 昨年の十一月はそれなりに覚悟していたからさほどには感じなかったが、今年はホテルを四条通りにとったため、観光客の奔流にいきなり投げ込まれた。
 
 ここは異国だ。
 
 万国観光客のなかでも中国人が目立つ。
 多勢だから、幅を利かせて?見える。
 流行りだろうか、和服を付けている。
 
「付けて」っておかしな表現だろうが、着けてとは見えない。
 
 2018年の訪日外国人数は3119万人、日本観光に押し寄せている。
 
「日本が見直されている」
「日本の良さが世界の人に広がって来た」

 そうかも知れない。
 そうかも知れないが、自画自賛はなぜかおもはゆい。
 利点だけを並べ立ると、バカっぽく見えてくる。
 
 つまりは「お国自慢」、県民ショーの類である。
 
 自画像は写実に徹することにして、実態を見よう。 
 
 日本銀行の黒田総裁が「かつてない異次元のレベル」といって、13年4月に始めた超金融緩和から6年になる。
 その間、訪日外国人数は年々増加した。
 ついには実質実効為替レートで20%超えの円安水準に達したのだから、日本旅行がしやすくなったのもうなずける。
 
 実際僕らにしても円高の頃は海外旅行がもてはやされた。
 国内では一万円はきっちり一万円の価値、海外にでるとお得な実感がともなった。
 買い漁ったブランド品は、今ではリサイクルショップを潤している。
 
 これが逆転した。 
 異次元緩和で円安を維持して日本の魅力?を引き出したのは、黒田日銀の成果だろう。
 しかしこれは一種の安売り、バーゲンセール。
 
 六年間に及ぶバーゲンセールで、日本は衰弱が激しくなっている。
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中国の存在感を誤るな
2019-05-03 Fri 07:53
 中国をどう捉えたらいいか。
 例えば、私が尊敬する投資家レイ・ダリオは『PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則』[日本経済新聞出版社 (2019/3/21)]の中で、自分の中国体験を次のように語っています。(P.66〜)

 1989年(平成元年)の中国です。
 日本はバブル、日経平均が4万円を越えようかという勢いのある時代で、今から振り返ればそれが日本のピークだったかもしれません。
 
「当時中国には金融市場がなかった。やがて、(CITIC[中国中信集団、世界の他の国とビジネスを認められていた中国唯一の会社]を含む)9社の小さなグループを作り、証券交易所研究設計聨合弁公室として知られる組織を作り、市場創設を始めた。始めたのは、1989年、天安門広場の事件直前だった。・・・(中略)・・・彼らはゼロから、中国市場と政府の証券監督管理組織を作り上げた。」

 わずか30年前の中国には、自国の証券取引所はおろか、マーケットそのものが存在しなかった。
 今さらながら中国の存在をどう捉えなければいけないか、非難と中傷でうもれたニュースの中では見つけることのできない発見がありました。

 そういう眼で中国を見るようになると、今日の日経一面記事「5G特許出願 中国が攻勢」が伝えているのは、いずれ米国をしのぐであろう中国の「実像」であるように思います。
 リードだけ掲載しておきます。

「次世代通信規格「5G」に関する特許出願数で中国が34%と、現行の4Gの1.5倍以上のシェアを握ることがわかった。4Gでは欧米が製品の製造に欠かせない標準必須特許(SEP)を握ったが、次世代産業のインフラとして注目される5Gでは中国が存在感を増す。特許数は自動運転など各国の新産業の育成や次世代の国力をも左右する。」
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新型バブルが発生している? その五
2017-06-29 Thu 07:27
 リーマンショック以降('09年以降)、中央銀行[日銀、FRB(米国連邦準備制度理事会)、ECB(欧州中央銀行)]はこぞって短期金利を限りなくゼロ近辺まで下げ、かってない量的な金融緩和政策で実質金利がマイナスになる状態を続けています。
 利潤が出なくなった資本主義の限界を示しているのですが、これを利用して一儲けしようというのも資本主義の論理にはかなっているようです。

 自分が見つけた方法論を持って、金儲けのプロセスを味わうエキサイティングな体験は本人にはたまらないでしょう。
 中央銀行バブルの歪みを利用し、論理を組み立て、金儲けにまい進する。

 ではユーフォリア(熱狂的陶酔感)を伴わない冷たい(冷静)新型バブルは、生き延びるでしょうか。

 国策による異常な低金利と家賃NOI利回りとのスプレットがある限りは。
 リーマンショックの時、トヨタすら流動資金に詰まったことは明記しておくべきでしょう。
 時代のある一定期間しか通用しない論理で、もっとも鋭く歪みに切り込んだ者=時代の寵児は、自ら発見した論理の反転によって切り返されることでしょう。

 勝ち残ることはできないでしょう。

 イメージですが、彼より5番手、6番手の伴走者は負け残ることはできます。

 バッファ(緩衝装置)を持つことです。
 たくさんのランダムなバッファを持つことです。
 生き残る者はごく少数者です。
 
 生き残ることを考えましょう。

 バッファというのは優位性のことです。
 いくつもの性質の異なるバッファを持つことです。

 私は設計者としていくつものワンルームに関わってきましたが、いまだにワンルーム空間構成一つとってもイノベーションが見られます。

 あるいは、バランスシート思考です。
 左と右の項目には、経営判断でそなえた実物資産リストがあり、金の出所が示されてあります。
 そこに記された記録(事実)と向き合うことで、自らも見落としていた重要な情報を見つけ、あらたな経営的な判断につなげることがあり得ます。

 土地の売買を数十回経験し、それぞれの土地の持つ個別性と需要者のニーズとの不可思議な邂逅をたびたび見ています。
 その個別性を生かせるかどうか、資産効率から考えればワンルームであっても、解は一つではありません。
 売り買いはほとんど運でしたが、それを見る目はすこしはマシになっていると思います。

 本業に助けられることもあります。
 複数収入源によって危機を乗り越えることもあります。

 次元分散です。
 たかだか賃貸業であっても想像力が生き残りの最後の砦であります。
 ゆめゆめ勉強会、セミナーの生半可で薄っぺらな知識で手を出すことのないように。
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新型バブルが発生している? その四
2017-06-28 Wed 06:09
 新型バブルとは何でしょうか。
 それは、新たなレバリッジ法だと考えることができますが、その点の分析は後述いたします。

 まずは佐藤理論との比較で見ていきたいと思います。
 自分の体験、学んだことから、バブルには大前提があるのだと考えるようになりました。
 国策です。

 バブルには、そして国策がレバリッジの成立する根拠であるという特徴が見てとれます。

 国策にのる。
 国策の持つ歪みにつけ込むといってもいいでしょう。

 バブル期のように、現在の経済社会がユーフォリア(熱狂的陶酔感)に包まれているとはとうてい言えません。
 むしろ、静的です。
 比較でいえば、熱狂に対する冷たいバブル、とでも表現しようがないのです。

 それは経済社会の一角で進行する、部分的でしかし鋭いレバリッジを秘めた資産拡大形成の動きです。
 いくつかの現象が見られます。
 自社株買い、M&Aなどもその典型的な例(同じ論理)といえるでしょうが、ここでは主として不動産「バブル」をとり上げます。

 今問われるべき国策は何でしょう。
 アベノミクスです。
 とりわけ中央銀行(日銀)がつくり出した、歪みです。

 中央銀行バブルです。

年利がすごいな

 写真を見てください。
「年利率0.65%」
 下段に掲載したYouTube「クローズアップ現代2016年12月19日」の一場面です。

 銀行から借金をし、賃貸マンションを建築、買収し、そこから利ざやを稼ぐ仕組みをつくり上げます。
 直近に現れているニュー錬金術です。
 やっていることは佐藤理論、バブル期とまったく変わりません。

 0.65%です。
 すごい。
 驚嘆いたします。

 それもほぼフルローンです。
 全額借金ですから、強烈なレバリッジを効かせる手法です。
 そのエキサイティングな投資法には一瞬魅せられます。

 しかしこれが地獄への免罪符になるとは思えません。
 キーになるのは、これが変動金利であることです。
 クローズアップ現代はその点の詳細を省略していますから、私の推測になるのですが、不動産投資ローンは変動金利です。

 マーケットは非情です。
 変動から固定へ乗り換える隙さえ与えないほどに、ボラティリティが跳ね上がる。
 そういう危うさを無視して、リバリッジを掛ける先には破滅への道が待ち受けています。

 この手法を提案し、理論化したかっこうのテキストがあります。
 玉川陽介『Excelでできる 不動産投資「収益計算」のすべて』(技術評論社 2017/3/16)です。
 第1部「収益構造理解編」第2章「銀行融資のすべて」のなかで次のように述べています。(P.51)

“じつは、筆者は、不動産投資において、不動産は融資を得るための媒介物にすぎず、重要なのは不動産そのものよりも融資だと考えています。
 融資を中心に据えた不動産投資とは、金融政策により生じた金融システムの歪みを利益に変える「金融システムハック」のようなもなのです。”


 ハック (hack)とは便利な小技のことです。
 彼に語ってもらえば「歴史的な低金利を利益に変えるための有効な手段」(P.63)のことです。
 「歴史的な低金利」は、黒田日銀がアベノミクスの一環として断行した異次元金融緩和以下の超金融緩和政策によってもたらされました。

 彼は、ズバリ国策にのった妙手をさします。
 
 彼は、不動産利益の源泉が「高い賃料収入(純利回り)と低い低金利の差額(スプレッド)」(P.12)だと資産形成の基本を押さえます。
 それを支える基本線、基準線になっているのが「歴史的な低金利」です。
 これが歪みの正体であり、富の源泉です。

 第2部「収益シミュレーション 実践編」はよくできたExcel版ですが、これが通用する期間はたぶんに歴史的であることを指摘しておきたいと思います。
 私は、国策が破綻しないかぎりと限定を付けたいと思います。

 週末は仙台を旅行します。
 いちおうのまとめとして、「新型バブルが発生している? その五」をアップしてから出かける予定です。


クローズアップ現代2016年12月19日
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