2012.05.19 *Sat

何か地殻変動のような大きな変化が起きている

大和の骨董市に出かけるのは昨年の秋口以来になるだろう。

一時間半ほどブラブラし、腹ごしらえにいつもの蕎麦屋へむかった。

ない、店がない。

「天春さん?暮れに店じまいしましたよ。」

骨董市の日にきまって蕎麦をいただいていた。
夏はビール、冬は熱燗つけて。
いつも客が一杯だった。

こっちは、こんでいた印象しか思い浮かばない。
だから店じまいと聴き、狐につままれたよう。
いや、いきなりたぬき(そば)をとりあげられたような気分だ。

しかしうっかりしていたのはこちらのほうかもしれない。
骨董市の日は中高年がおしよせるのだから、こんでいて当たり前。
ふだんはどうだったか。

地元の老舗蕎麦屋がやはり昨年閉店したことは以前書いた。

なけなしの知恵

3.11以降何かが変わってきた。
それが何であるか、はっきりつかんだわけではない。
地元の老舗とはいえ、たかだか蕎麦屋がつぶれたことを大げさに考える必要はないのかもしれない。

頭のすみに仮説をおいて、面識した事実と向き合う他ないのだろう。

「何か地殻変動のような大きな変化が起きている」
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2012.05.18 *Fri

変化、くり返すものと戻らないもの

変化にはくり返すものと、けっして元には戻らないものがある。

ここ数年夏と冬とで食事メニューの衣替えをするようになった。
数日前から朝食を夏メニューにかえた。
果物オンリー、米パンを抜いても、空腹をさほどには感じない。

生活の変化は季節とともに訪れ、そして循環している。

経済社会は違うようだ。

3.11以降、ぼくらの意識のなかに地殻変動が起きているように思う。

伊豆は河津町峰に二十年ほど別荘を持っていた。
飽きたこともあったし、会社の資金繰りもあって十年ほど前に手放した。
同じ別荘地に花マルさんという料亭があり、今も御節を頼んだり、付き合いは長い。

南向きの小高い丘に別荘地があったが、当時から使われていない別荘や空き別荘が増えはじめていた。
それが一変したそうだ。
河津浜に近い平地から移り住むひとが増え、一気に別荘がうまってしまったそうだ。

伊豆にかぎらない。
海岸から数キロの沿岸部であれば、津波から無事な箇所などない。
そう自覚したのである。

何より大きく変わったのは国民の原発に対する意識だろう。

再稼働判断に「反対」が55% 朝日新聞世論調査
「原発とエネルギーに関する意識調査」(2012年3月)単純集計表
大飯原発再稼働に関する住民意識調査

それは後戻りしない、不可逆的変化かもしれなと感じるようになった。
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2012.05.17 *Thu

ミズナラの演奏会

人さし指で押圧されたけん盤のように、大葉がぐぐっと頭を下げる。
雨が激しくなった。
ミズナラ(オオナラ)の大木をおおった緑のけん盤のあちらこちらが踊り出した。

かしげた首は一瞬に反り返り、何ごともなかったかのように緑のおおいを閉じる。

萬岳楼「るりの間」、白濁した半露天風呂から、林が吸いとったやわらかい雨音を聞く。
ここ数回は箱根の仙石原を訪れるたびに雨であった。
連休前日に訪れているから、豪雨はやり過ごすことができた。

1

「巨木が実らせるドングリの季節もいい」と女将。
楽しみはつきない。
山之内 尚さんの創作会席は来るたびにプログレスしている。

茶菓子「粋石 コンニャク」
小鉢「若布豆富」
椀「アスパラすり流し」

なかでも煮物。
「胡麻豆腐 揚げ出し 車海老 黒松露(トリフ) 山椒」
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2012.05.15 *Tue

気温と読書と集中力

朝方十度以下の日が何日かあった。
日曜とその前々日の金曜だ。
「寒い」とは、四月初・中旬の気温に引き戻される事で感じているのだろう。

今日は曇り空だが、寒暖を意識しない。

今日のような中途半端な日はかえって読書などには集中できないものだ。

今月は六冊目になるが、集中力と気温との因果関係はよく分からないはずなのに、「寒い」が記憶されるからそう思い込むのだろう。

翻訳の善し悪しを判断する能力はないが、高村夏輝さんが翻訳されたバートランド・ラッセル『哲学入門』(筑摩書房、2005年03月)は読みやすかった。
原註はもちろん、訳注が詳細に書き込まれている。
前書き、ドイツ語版への序文、参考文献と一つとして端折っていない。

ジョン・スコルプスキと訳者の「解説」もうれしいが、索引がしっかり付けられており、後々辞書のようにつかえる。


哲学入門 (ちくま学芸文庫)哲学入門 (ちくま学芸文庫)
(2005/03)
バートランド ラッセル

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ドラ・トーザン『生粋パリジェンヌ流スタイルのある生き方』の内容は、女性の恋愛、ファッション、仕事。
本屋で『日経WOMAN』などを立ち読みしていると、異姓から変な視線を投げかけられるが、文庫本だと表紙も小さいから気にされない。
こんな記述が参考になる。

“そもそも、フランス女性の普段の着こなしは質素。なのになぜおしゃれに見えるのだろうか?
・・・(中略)。セーターもパンツもコートもすべてシンプルにまとめつつ、鮮やかな色のマフラーやスカーフなどを差し色に使う。(P.84)”

女性だろう?と云われそうだが、ネクタイにかぎらず、差し色は応用できるはすだ。

六十を超えてから、白・黒・グレー・紺以外の色物を着るようになった。
周囲はあきらめたのか、何も言わなくなった。
ぶざまな失敗をかさね、少しは身についただろうか。

それにはそれをまとう肉体、とくに歩き方が大事。

“パリジェンヌは歩き方にも気をつけている。
美しい歩き方は、ピンと背筋を伸ばし、真上から糸で引っぱられているように大股でなるべく膝を曲げずに歩く。(P.108)”

歳を重ねたのだから、若さを取りもどそうなど浅ましいことは見切って、かっこいいおじいさん、おばあさんになろう。

“フランス人、とくにパリジェンヌは歳を重ねるごとに美しくなる。肉体的に衰えることは否めないが、フランスでは若いというだけで女性がもてはやされることもないし、年齢を重ねた女性は社会全体からリスペクトされている。(P.167)”

今年の夏の日に読む本を思いめぐらしたが、想像できなかった。


生粋パリジェンヌ流スタイルのある生き方 (ヴィレッジブックス P ト 1-1)生粋パリジェンヌ流スタイルのある生き方 (ヴィレッジブックス P ト 1-1)
(2004/03)
ドラ・トーザン

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2012.05.13 *Sun

六代目三遊亭圓生「後家殺し」

まだ明けないうちに目が覚めた。
体も気持ちも充分には起きていないからぼーとしていた。
そのうち窓のあたりがあからんできたが、する事がない。

悪いクセでついテレビをつける。
正札付の出囃子にのって六代目三遊亭圓生が出てきた。
古いビデオで『後家殺し』の一席。

TBSチャンネル「落語特選会」のホームページにあらすじがのっている。

“常吉という職人が、義太夫を語るのが上手いことを縁に、伊勢屋の後家といい仲になった。そのことを知った常吉の友達がうらやましさ半分おもしろ半分で、「伊勢屋のところの後家さんは最近心変わりして、他に新しい男ができたようだ」とでたらめを言った。しかし常吉はそれを本気にして、思い余って後家を殺めてしまう…。”

朝っぱらから義太夫でもないが,話に引き込まれる。

落語は好きでも嫌いでもなかった。
寄席に立ち寄るようになって少しは興味がわいた。
名人とよばれるような落語家の話をじかに聞いた事はないが,色あせたビデオがかえってその時の高座を実感させる。

男の嫉妬が二重に語られている。
常吉の後家に対する嫉妬,常吉に対するダチの嫉妬。
この二つが絡み合って事件を引き起こす。

後家さんを出刃でめった突き、なます斬りにした。
ずいぶん凄惨な話なんだが、義太夫を語りながらでつやっぽいから、直ぐには応えてこない。
聞き終わり、しばらくしてゾクッと来た。

義太夫の語りに聞き惚れ隠されていた、圓生の凄みがよみがえる。
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2012.05.12 *Sat

光琳

先月、尾形光琳筆『松島図屏風』を観た。

「よき事」に記したが,心躍った。
東京国立博物館特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」
人だかりもなく、通り過ぎる観客も気にならない。

平日であったが,開館前から観客がならんでいる。
根津美術館『KORIN展 国宝「燕子花図」とメトロポリタン美術館所蔵「八橋図」』
期待したが,もはや雑踏のなか。

群生するカキツバタ(燕子花)は人の群れに埋もれている。

それでも他の展示物で充分楽しめた。

・地蔵菩薩立像
・饕餮文方彜
・蟠螭文鑑
・牡丹唐草文茶器
・紫陽花蒔絵文箱
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2012.05.11 *Fri

白木仁『驚異の1分間コアトレーニング』アゲイン

同じ本を二冊買ってしまうことがよくある。

目次を見たら分かりそうなものだが、いい本ほど重複する。
いい本だと直観すればとりあえず買ってしまう。
あとで探すのに苦労するからだ。

いつもは数ページ読めばハッとする。

ところが、今回は第一章が終わりかけ、章末にのっていた写真で気がついた。
それは明治初期、力士と車夫がふんどし一つで立っている写真。
パソコン日記を検索してみると、白木仁『驚異の1分間コアトレーニング』は昨年の3月30日に読み終えていた。

白木氏の提唱する腰割りや股割りは一年以上前から実践にうつしている。
股割りはストレッチの中で、腰割りはカーフレイズと組み合わせ10から12分で終えることができる。
旅先の宿でも柱につかまってレイズしたり、畳で腰割りの構えをとるのは楽だ。

運動不足をわずかな時間で解消できる。

エクササイズの一つひとつにこだわるのは、正しい理解だと思っていた知識にもメンテナンスが必要だからだ。
ストリクト・フォームは実践をかさねなければ身につかない。
知識もストリクト(厳密)にしていかなければ、ストリクトな動作にはなかなか到達しない。


新鮮な気持ちで二度読みが始ったのだから、そのまま読みつづけた。
前回同様、斜線や矢印やメモだらけになるだろうから、比較するのも面白い。
たぶん前回とは関心事、焦点が違っている事だろう。

腰割りのとき丹田に意識を集中する事、その意義について読み込みが浅いようだ。


驚異の1分間コアトレーニング (学研新書)驚異の1分間コアトレーニング (学研新書)
(2011/03/16)
白木仁

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2012.05.09 *Wed

観客のいない名作『アーティスト』

通勤時間のピークを過ぎた車内はすいている。

九時十五分の上映時間は早い。
が、日にこれ一回きりの上映だ。
TOHOシネマズ 海老名の第七スクリーンは座席数145と一番小さい方だ。

観客は十人をやっと上回るほどだった。

人気がないのだろう。



『アーティスト』は第84回アカデミー賞5部門を受賞した。
<作品賞><監督賞><主演男優賞><衣装デザイン賞><作曲賞>
英国アカデミー賞BAFTA最多7部門、ゴールデン・グローブ賞3部門等々を受賞した。

古くからの映画のファンなら『ニュー・シネマ・パラダイス』のような、映画好きの映画人の映画だというと納得するだろうか。
落ちぶれた元スターとそれを慕う売れっ子になった女優の恋。
ありふれたストーリーにおもしろみはない。

エンターテイメントをもとめる観客にとって、アーティストは退屈な存在だ。
アートを見にきているわけじゃない。
映画を楽しみたいのだ。

観客のいない映画はサイレント時代の落ちぶれた主人公のようにさみしいものだ。
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2012.05.07 *Mon

筍三昧

筍が送られてきた。
さっそくを寸胴に水をはり糠(ぬか)をいれ煮る、あくとり作業。
その日のうちに、筍と鰊の煮物、筍ステーキ、たけのこのエビはさみ揚げをつくった。

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2012.05.05 *Sat

三吉屋はパブかカフェか

オダサガ[小田急相模原]の不統一感は増している。

駅ビルがひどい。
それとブリッジでつながれるタワーマンションが建設中で、下にパチンコ屋が入るそうだ。
駅前のメイン道路である行幸道路には中小のマンションが建て込んでいて、その背後に木造の住宅地が広がる。

街がますますチクハグになった。
なにのに、ふぞろいだから、かえって変にマッチする。
統一感なんてすっかりあきらめているから、さらなる混濁が心地よいのである。


ブログが二つになった。

倍忙しくなったか?
そんな事はない。
どちらも週に3回にすれば、週1日はブログ休みだ。

ブログも仕事も5時で終了する。
書きたいときに書く。
ナイトライフにはなにも持ち込まない。

日本酒かワインが友。

今週は毎日三吉屋に通った。
ワンコインでワインを日本酒を楽しむ。
知らない人との出会いのある、イギリスで云えばパブ、フランスのカフェのような空間になってきた。
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