「日本沈没」は絵空事?致命的で脆弱な原発の存在
2017-09-24 Sun 11:06
3.11を振り返ってみることです。
それは自然災害ではじまりました。
ついで人的災害へと転化していったのです。

福島原発事故です。

近藤駿介原子力委員長が原発事故後の2011年3月25日に作成したメモは、最悪の事態を次のように記しています。

「福島第一原子力発電所の不測事態シナリオの素描」

「強制移転をもとめるべき地域が170km以遠にも生じる可能性」
「年間線量が自然放射線レベルを大幅に超えることをもって移転を希望する場合認めるべき地域が250km以遠にも発生することになる可能性」
いいかえれば、首都圏から人がいなくなる事態を意味しています。

トランプの国連演説は苛烈をきわめたものでした。
「北朝鮮を完全に破壊する以外選択肢はない」

これに応じた北朝鮮のリ・ヨンホ外相の国連総会演説もまた容赦のないものです。
「アメリカとその追従勢力がわが国に対する軍事的攻撃の兆しを見せるときには、容赦ない先制行動で予防措置をとることになる」

一国を追いつめ、破壊する力がアメリカには存在します。
しかし、同盟国である韓国、日本はどうなるか。
固定された明確な軍事目標となる原発への飽和攻撃によって、首都圏にとどまらない、北の言う「日本沈没」が現実のものになりえます。

3.11から六年半、日本人はケロッとして原発事故を忘れさろうとしています。
あれとこれは別に考える。
ご都合主義で、楽観的で希望的観測で現実を直視しようとはしません。

日本の国土には、地域の電力企業(北海道電力 東北電力  東京電力 北陸電力  中部電力 関西電力 中国電力 四国電力 九州電力)毎に原発42基が散在しています。
これらの原発はフクシマの危機を引き起こした「使用済燃料プール」に、広島原爆の数十万倍にのぼる「死の灰(核分裂生成物)」を蓄えていると推測されています。

そうです。
イヤでも致命的で脆弱な原発の存在を再び思い起こさなければなりません。
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対話拒否の狂気、アメリカ本土は安全でも日本は壊滅危機
2017-09-23 Sat 15:47
北朝鮮が暴発、あるいはアメリカが開戦しても、米国本土は微動だにしない。
日本本土はそうはいかない。
高性能爆薬を装備したノドン級の弾道ミサイルが6から11分程度で原発に着弾する。

核弾頭もサリンもいらない、原子炉建屋にノドン一発で日本は壊滅的被害

車輌から発射が可能な数百基がすでに実践配備されているといわれる。
核弾道ミサイルなど必要ない。
開発途上の大陸間弾道弾とちがい、命中精度の高いノドンこそ脅威である。

現に外貨獲得を目的にノドンをイラン、パキスタン、リビアなどに輸出、販売しているといわれる。

日本国の安全保障は大陸間弾道弾実験のただいまが危機のピークではない。
十数年前からノドンで十分に日本を壊滅に追い込める「危機」が継続しているだけのことだ。
数百基といわれるノドンがいっせいに発射されて、防御できるか。

今なさなければならないのは、「対話」だ。

安倍の国連演説はお粗末だった。

「対話による問題解決の試みは、一切が無に帰した。何の成算があってわれわれは、三たび、同じ過ちを繰り返そうというのだろう」
「必要なのは対話ではない。圧力だ」
日本人は勇ましい指導者をいただき、誇りを感じたか。
愚かだと感じたか。

寡聞にして、安倍政権が北朝鮮といかなる「対話」をもったのか知らない。
アメリカ本土は安全でも、日本は壊滅する。
トランプの尻尾にすがるのは日本を本当の危機に追い込む愚かな「蛮勇」だ。
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まん延する北朝鮮小児病のなか総選挙突入へ
2017-09-18 Mon 08:07
 予測どおり、安倍政権は総選挙に突入します。
北朝鮮6回目の核実験で急浮上する総選挙

 アラートが上空にうなり、あたかも「戦時」を思わせる光景はまことに滑稽です。
「戦争になりかねない」「危ない国だ、やってしまえ」「日本列島沈没だと、胸くそ悪い」
 そんな雰囲気でしょうか。

 9月15日午前7時すぎ、火星十二号は北海道上空八百キロを飛んでいきました。
 6回目の核実験に次いでこれですから、「これで勝利疑いなし」と安倍政権は値踏みしたのだと思われます。
 
 北朝鮮領土内で500キロを超える宇宙空間に突入しますから、射程500キロが限度といわれるイージス艦が装備するSM3では撃ち落とせません。
 最高高度500kmですから。
 領土内で撃ち落とすしか手がありませんが、それでは即戦争です。

 かりに弾道が落ちてきても、その速度はマッハ20。
 最後の砦PAC3の守備範囲は最大射程20kmで、しかも最大速度マッハ5+といわれています。
 運がよければ撃ち落とすことができるかもしれません。

 今行われているのは、北と西の国際的プロパガンダ・ショーです。
 これが繰り返されることで、不穏な「国民感情」が醸成され、蓄積されていきます。

 安倍政権はいよいよ総選挙に打って出ます。 
 さてさて選挙をやる手間と暇があるのですから、実に余裕です。
 核兵器+弾道ミサイルであおるにあおられた「北朝鮮の危機」の底が見えた瞬間です。

 プロパガンダの格好のえじき、とりこになった日本国民がどんな判断を下すか。

 こういう事態をなんと命名すれば良いのでしょうか。
 北朝鮮小児病とでも名付けておきましょう。
 辞書は次のように定義しています。

 ・考えや行動が幼稚で極端に走る傾向。
 ・考えの足りない、おとなげない性向。 
 ・言動が幼くて,感情に流されたり,極端に走ったりしやすい性向。

 1941年(昭和16年)8月、石油の全面禁輸措置(ABCD包囲網)によって、追い込まれた日本は真珠湾攻撃を仕掛けます。
 暴発です。
 その結果は知っての通りです。

 こうした状況を反転させて、眺めてみる余裕はないのでしょうか。
 日本の過去を北朝鮮に置き換え、冷静に。
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北朝鮮にとっては核ICBM保有がもっとも合理的な選択であること
2017-09-10 Sun 11:30
北朝鮮は最貧国とまではいえないまでも、たいへん貧しい国です。
国連統計の直近データ(2015年)によれば、名目GDP16,119百万US$で116位/213ヵ国、1人当たり名目GDPは642US$198位/213ヵ国とされています。
世界銀行によれば、人口は 2537万人 (2016年) です。

日本の名目GDPの3.2%にすぎません。

にもかかわらず軍事力が突出した国です。
実態ははっきり分かっていませんが、おおよそ「陸軍の地上兵力約100万人、海軍と空軍の兵力20万人、その他に予備役470万人、労農赤衛隊350万人、保安部隊19万人」とされています。
アメリカによって赤子の手をひねるように崩壊した国々、アフガニスタン、イラク、リビアとはいっしょにはできません。

こうした貧しい国の、しかも独裁国家の指導者が、国体である金正恩王朝を守るために、もっとも合理的な選択はなにか。
独裁者の視点から考えてみる必要もあると思います。

それは核抑止力です。

すべての資源を核ICBM開発に集中するという選択です。
北朝鮮が核ICBMを保有しなければ、国体は守れない。
そういう決断が金王朝の頑強な思想の根底にあるのだと思います。

プーチン大統領が語っていることに真摯に耳を傾ける必要がありそうです。
「彼ら(北朝鮮)は自分たちが安全だと感じられなければ草を囓っても核プログラムを放棄しないだろう」

日本がアメリカの「核の傘」に頼っているの対し、北朝鮮は中国の「核の傘」に金王朝の存亡を託すことはできないと独自の路線を選択したと言えます。

核ICBMを保有し、核抑止力を手にすれば金王朝は存続する、でなければ滅ぼされる。
そういう覚悟です。

北朝鮮の指導者が核ICBMを保有すれば、「陸軍の地上兵力約100万人、海軍と空軍の兵力20万人・・」等々の軍事費を削減し、民政にそれらを振り向けることができるようになるでしょう。
もっともこれは西の世界観ですから、北朝鮮がそれを合理的な選択と考えるかどうかは分かりませんが、すくなくとも金王朝が存続するための条件は有利になることでしょう。
その意味では、核ICBM開発に国力を集中し、核ICBMを保有することは、彼らにとってはもっとも合理的な選択であることを「理解」しないと、日本の政権は選択を誤ってしまう危険をはらんでいると考えざるを得ません。
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北朝鮮6回目の核実験で急浮上する総選挙
2017-09-04 Mon 18:12
 非通知の電話があった。
 世論調査、意識調査とかという録音テープが流れた。
 先月か先々月にも同じような電話が何度かあった。
 僕のところへ掛かってくるのだから、かなり広範囲に実施されているのだろう。

 非通知だ、どこかの政党が実施していると推測できる。

 その時総選挙が近いという直感が働いた。
 さして根拠があるわけではないが、そんな直観があった。

 北が何かをやるたびに安倍政権の支持率が上がる。
 北朝鮮の声明「大陸間弾道ミサイル(ICBM )搭載用の水爆実験に完全に成功した」を額面どおり受けとることはできないが、深刻な事態であることは国民共通の受け止め方だろう。
 上げ止まりの政権が総選挙のお墨付き(自民党過半数確保と改憲勢力の維持)をいただいて、延命をはかる最後のチャンスかもしれない。

「対話と圧力」の結果は明らかだった。
 核とミサイルの開発を辞める気のない北朝鮮はこの間にしっかり核戦略を整備し、そして脅威が顕在化しただけのことだ。
 オバマも、安倍も何もできなかった。

 共和党系(トランプ支持側)のFOXニュースが七月に行った世論調査で、「核開発を止めるためには武力行使が必要」との回答が55%に達っしたと報じられている。
 現段階では、アメリカ本土に直接の脅威も被害もない。
 北朝鮮はアフガニスタン、イラク、シリア、ISと比較にならない軍事力を有している。
 米国が北朝鮮に先制攻撃するれば、韓国と日本が直接の被害に直面する。

 公式、非公式の「見積」が立てられているが、どれだけの被害になるのか、実は誰にも分かっていないのが真相だ。
「北朝鮮を核保有国として認める」という選択肢も現実路線として議論になってくるのだろう。
 今の段階では直感にすぎないが、総選挙が断行されたら、正面切って北の問題を論じていかなければならない。

・【解説】核実験場の「トンネル崩落」に手がかりか 北朝鮮核実験

・北朝鮮、6回目の核実験強行は何をもたらすか

・北朝鮮が6回目の核実験「ICBM用、完全に成功」
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「日銀の発行する紙幣は民法上の債務ではない」
2017-07-05 Wed 15:05
「他方、日銀が会計上の債務超過に陥ることについては、筆者は本質的な問題はないと考えている。まず日銀の発行する紙幣は民法上の債務ではない。また日銀当座預金も紙幣の預け金なので、日銀の会計上の債務超過は日銀の債務不履行を意味しない。
 さらに日本銀行法は、日銀の財務状況とは独立に紙幣を法貨として規定している。法貨は金銭債務の履行手段として法的な強制通用力を持つものなので、既存の金銭債務に対する履行手段としての紙幣の本源的価値も日銀の財務状況とは独立に存在することになる。」
(日経6/30付「経済教室」、戸村肇早稲田大学准教授“金融政策の課題(下) 日銀の「出口」の損失備えを 政府との共有ルール整備”


 思わず財布からお札を取り出してみた。
 いまさらながらの「日本銀行券」だ。
 10000YENと印刷されてある。

 僕は、これ(「日本銀行券」)を借用書のようなものだと考えていた。
 日本銀行が発行する「借用書」である。
 つまり日本銀行券は日本銀行に対する債権のことだと思いこんでいた。

 この10000YEN札を保有する僕は債権者で、日本銀行が債務者であるかのように錯覚していたのである。
 だからといって、日本銀行は僕とは大違いの「資産家」だ、そんな事を意識することもなく、やり過ごしてきた。
 
 さて、筆者のいう「日銀の発行する紙幣は民法上の債務ではない」とはどういう意味だろうか。

 民法の条文を見てみよう。

・第415条(債務不履行による損害賠償)
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。

 筆者のいうごとく、日銀の会計上の債務超過が発生しても、そもそも日銀は民法第415条「債務不履行による損害賠償」責任を負っていないのであるから、日銀の債務不履行問題は生じることはない、ということである。
 したがって、日本銀行券という「借用書」は返済を期待し得ない貸付けである。

 この問題に関しては、「中央銀行券の債務性と政府紙幣の特質に関する研究」が参考になる。
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新型バブルが発生している? その五
2017-06-29 Thu 07:27
 リーマンショック以降('09年以降)、中央銀行[日銀、FRB(米国連邦準備制度理事会)、ECB(欧州中央銀行)]はこぞって短期金利を限りなくゼロ近辺まで下げ、かってない量的な金融緩和政策で実質金利がマイナスになる状態を続けています。
 利潤が出なくなった資本主義の限界を示しているのですが、これを利用して一儲けしようというのも資本主義の論理にはかなっているようです。

 自分が見つけた方法論を持って、金儲けのプロセスを味わうエキサイティングな体験は本人にはたまらないでしょう。
 中央銀行バブルの歪みを利用し、論理を組み立て、金儲けにまい進する。

 ではユーフォリア(熱狂的陶酔感)を伴わない冷たい(冷静)新型バブルは、生き延びるでしょうか。

 国策による異常な低金利と家賃NOI利回りとのスプレットがある限りは。
 リーマンショックの時、トヨタすら流動資金に詰まったことは明記しておくべきでしょう。
 時代のある一定期間しか通用しない論理で、もっとも鋭く歪みに切り込んだ者=時代の寵児は、自ら発見した論理の反転によって切り返されることでしょう。

 勝ち残ることはできないでしょう。

 イメージですが、彼より5番手、6番手の伴走者は負け残ることはできます。

 バッファ(緩衝装置)を持つことです。
 たくさんのランダムなバッファを持つことです。
 生き残る者はごく少数者です。
 
 生き残ることを考えましょう。

 バッファというのは優位性のことです。
 いくつもの性質の異なるバッファを持つことです。

 私は設計者としていくつものワンルームに関わってきましたが、いまだにワンルーム空間構成一つとってもイノベーションが見られます。

 あるいは、バランスシート思考です。
 左と右の項目には、経営判断でそなえた実物資産リストがあり、金の出所が示されてあります。
 そこに記された記録(事実)と向き合うことで、自らも見落としていた重要な情報を見つけ、あらたな経営的な判断につなげることがあり得ます。

 土地の売買を数十回経験し、それぞれの土地の持つ個別性と需要者のニーズとの不可思議な邂逅をたびたび見ています。
 その個別性を生かせるかどうか、資産効率から考えればワンルームであっても、解は一つではありません。
 売り買いはほとんど運でしたが、それを見る目はすこしはマシになっていると思います。

 本業に助けられることもあります。
 複数収入源によって危機を乗り越えることもあります。

 次元分散です。
 たかだか賃貸業であっても想像力が生き残りの最後の砦であります。
 ゆめゆめ勉強会、セミナーの生半可で薄っぺらな知識で手を出すことのないように。
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新型バブルが発生している? その四
2017-06-28 Wed 06:09
 新型バブルとは何でしょうか。
 それは、新たなレバリッジ法だと考えることができますが、その点の分析は後述いたします。

 まずは佐藤理論との比較で見ていきたいと思います。
 自分の体験、学んだことから、バブルには大前提があるのだと考えるようになりました。
 国策です。

 バブルには、そして国策がレバリッジの成立する根拠であるという特徴が見てとれます。

 国策にのる。
 国策の持つ歪みにつけ込むといってもいいでしょう。

 バブル期のように、現在の経済社会がユーフォリア(熱狂的陶酔感)に包まれているとはとうてい言えません。
 むしろ、静的です。
 比較でいえば、熱狂に対する冷たいバブル、とでも表現しようがないのです。

 それは経済社会の一角で進行する、部分的でしかし鋭いレバリッジを秘めた資産拡大形成の動きです。
 いくつかの現象が見られます。
 自社株買い、M&Aなどもその典型的な例(同じ論理)といえるでしょうが、ここでは主として不動産「バブル」をとり上げます。

 今問われるべき国策は何でしょう。
 アベノミクスです。
 とりわけ中央銀行(日銀)がつくり出した、歪みです。

 中央銀行バブルです。

年利がすごいな

 写真を見てください。
「年利率0.65%」
 下段に掲載したYouTube「クローズアップ現代2016年12月19日」の一場面です。

 銀行から借金をし、賃貸マンションを建築、買収し、そこから利ざやを稼ぐ仕組みをつくり上げます。
 直近に現れているニュー錬金術です。
 やっていることは佐藤理論、バブル期とまったく変わりません。

 0.65%です。
 すごい。
 驚嘆いたします。

 それもほぼフルローンです。
 全額借金ですから、強烈なレバリッジを効かせる手法です。
 そのエキサイティングな投資法には一瞬魅せられます。

 しかしこれが地獄への免罪符になるとは思えません。
 キーになるのは、これが変動金利であることです。
 クローズアップ現代はその点の詳細を省略していますから、私の推測になるのですが、不動産投資ローンは変動金利です。

 マーケットは非情です。
 変動から固定へ乗り換える隙さえ与えないほどに、ボラティリティが跳ね上がる。
 そういう危うさを無視して、リバリッジを掛ける先には破滅への道が待ち受けています。

 この手法を提案し、理論化したかっこうのテキストがあります。
 玉川陽介『Excelでできる 不動産投資「収益計算」のすべて』(技術評論社 2017/3/16)です。
 第1部「収益構造理解編」第2章「銀行融資のすべて」のなかで次のように述べています。(P.51)

“じつは、筆者は、不動産投資において、不動産は融資を得るための媒介物にすぎず、重要なのは不動産そのものよりも融資だと考えています。
 融資を中心に据えた不動産投資とは、金融政策により生じた金融システムの歪みを利益に変える「金融システムハック」のようなもなのです。”


 ハック (hack)とは便利な小技のことです。
 彼に語ってもらえば「歴史的な低金利を利益に変えるための有効な手段」(P.63)のことです。
 「歴史的な低金利」は、黒田日銀がアベノミクスの一環として断行した異次元金融緩和以下の超金融緩和政策によってもたらされました。

 彼は、ズバリ国策にのった妙手をさします。
 
 彼は、不動産利益の源泉が「高い賃料収入(純利回り)と低い低金利の差額(スプレッド)」(P.12)だと資産形成の基本を押さえます。
 それを支える基本線、基準線になっているのが「歴史的な低金利」です。
 これが歪みの正体であり、富の源泉です。

 第2部「収益シミュレーション 実践編」はよくできたExcel版ですが、これが通用する期間はたぶんに歴史的であることを指摘しておきたいと思います。
 私は、国策が破綻しないかぎりと限定を付けたいと思います。

 週末は仙台を旅行します。
 いちおうのまとめとして、「新型バブルが発生している? その五」をアップしてから出かける予定です。


クローズアップ現代2016年12月19日
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新型バブルが発生している? その三
2017-06-27 Tue 06:38
 佐藤理論は、毎月の元金返済分+金利支払以上に家賃収入があれば成り立つ、単純資産形成論ではありません。
 店子からのインカム・ゲインによって、地道に(ゆっくり)資産形成をはかる、のどかな理論ではないのです。
 資産拡大形成論です。

「拡大」がポイントです。
 資産形成のスピードをどうしたら高めることができるか。
 彼自身のテーマは彼をとりまく投資家の野望でもあったのです。

 時代は資産インフレ下にありました。

 株や不動産などの資産の値上りがつづく時代です。
 キャピタル・ゲイン(含み資産)の増加によって、土地は何の努力もなしに(外部環境の変化だけで)、一方的に担保力を付けて行きます。
 この増大した担保力を借金というレバリッジにかえて、資産拡大をはかることに彼の真骨頂がありました。

 亀のような歩みしか持たないインカム・ゲインに対し、増大する担保力と資産拡大を実現する借金によってテコを効かせていく。
 彼の錬金術の核心もまたレバリッジの手法に秘密があったのですが、それ以上ではなかったということもできます。
 損益通算制度、事業用資産の買換え特例の活用は絢爛たる理論に見えましたが、副次的なものにすぎません。

 1989年大納会、日経平均はピークをつけます。
 3万8915円です。
 
 翌年三月、大蔵省(当時)が不動産の総量規制を通達し国策の転換が図られると、一気に「バブル崩壊」へと局面が進んでいきました。
 株価が反転し下落の足を強めていきます。
 流動性の高い株に比べ、地価の下落は遅行しましたが、九十年代を通してしだいに牙をむくようになります。
 
 トリガーは通達でしたが、そこから先きはコントロールの効かない負のスパイラルがはじまっていました。
 落下が落下法則に従順であるように、人と社会の意志とは独立した自然史的過程をたどっていきます。
 平成不況です、失われた二十年の始まりです。

 個人的にはどうしたか、ふれておきましょう。
 事実だけ列挙しておきます。
 
 貸家はすべて売却。
 工場を撤去し宅地として売却。
 小倉庫売却。
 別荘を売却。
 中小企業退職金を取り崩し。
 預貯金をはたく。
 生命保険をすべて解約。
 ・・・
 三ナンバーから5へ。

 考えつくありとあらゆる手だてをこうじ、借金の返済に充てました。

 資産デフレ時代がおとずれていたのです。
 国策の反転とともに拡大理論は破綻しました。
 自分の資産はぶくぶくの借金という脂肪の塊・・・その時時代が変わっていたことに始めて気づくのでした。
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新型バブルが発生している? その二
2017-06-26 Mon 09:33
 日経平均はすさまじい勢いで上がっていたが、どこか遠くで行われている空中戦のようで実感がなかった。
「日経平均という株」が取引されているものと思いこんでいたし、実際それが(日経225先物)取引されるようになった1988年9月頃にはNTT株上場フィーバーで庶民も株に手を出すようになっていた。

 身近だったのは地価のほうだったと思う。
 地価の値上りはすさまじかった。
 いくらで売れた、買った。そんな話がいくつも流れていて、それが自分の思っていた地価とかけ離れた、飛び抜けた数字であって、なぜかワクワクしたのを覚えている。

 一切は国策の結果だ。そう認識したのはずいぶん後のことであった。短くまとめておこう。

 ’85年9月22日のプラザ合意によって各国の市場でドル売りが殺到、円ドルレートは1ドル=242円から一年後には150円台の円高をつける。
 日銀は円高危機論に押され、’86年1月5.0%から五回にのぼる公定歩合の引き下げを行い、2.5%という空前の金融緩和政策でのぞんだ。
 東京の住宅地地価は’87年22%、’88年69%、’89年33%、’90年56%という異常な値上りを見せた。
 日本のGDPが400兆の時代、’86年から’89年に発生した株・土地のキャピタルゲインは1452兆円にのぼった。

 本業を押しのけ財テクに走る企業。
 それをまねて個人投資家が財テクをはじめる。
 そんな時代だった。

 おく病な一庶民だった。 
 自分も資産をつくりたい。
 財テクを学んで1日も早く参戦したいと思った。

「バイブル」が必要だった。

 僕がであったのは佐藤正和『不動産財テク原論』(1987年12月15日第一刷発行)だ。
 奥付に記したエンピツ書きをみると、’88・3/24読了とある。
 すでに賃貸アパート事業を手掛けていたが、確信を持ってそれに踏み込むには十分すぎる理論的支柱になった。

 胆は何か。
 自分でもできる財テクのエッセンスを引き出したかった。

 後悔もあった。
 自邸をつくったことだ。
 資金を固定してしまったことに気づかされる。

 自邸のローンを返済する資金は、本業やサラリーから出さなければならない。
 資産形成が完成するのは、自分が老年をむかえるはるか先だ。
 賃貸アパートローンは店子のフトコロがまかなってくれる。


 スピードがちがう。 
 これが佐藤正和理論の要諦だった。
 個人財テクによる資産拡大形成理論の胆であった。

佐藤の不動産財テク原論
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